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 今月の特集『貴店にふさわしい集客ノウハウ』(3/3)面
-「負け組」「勝ち組」はここが違う。セルフチェックで貴店の目指す方向性を探る!-
今月の特集キーワード  
  自店のポジショニングを確認せよ 1面
  同業態でもさまざまなスタイルがある 1面
  自店の特徴を”セルフチェックリスト“で把握しよう! 2面
  自店の強みと弱みを知ろう! 2面
  オーナー・チェックと顧客チェックとでは必ずギャップがある 2面
  チェック結果は世代によって異なる 2面
  トイレは厨房を映す鏡 2面
  メニューのネーミングにも気を使って 2面
  「ニオイ」は効果的な演出 3面
  接待にも使える居酒屋 3面
  子どもの口と女のオチョボ口 3面

「ニオイ」は効果的な演出
レーダーチャート 

B店-1  チェック者:20代前半

商品
・女性が喜ぶようなメニューをいくつか用意しているところが好感がもてる。
・オリジナリティの高いメニューもあり(びっくり皿うどん等)面白い。
・いくつか頼んだメニューのうちに使っている材料、味がとても似ているものがあって、もう少し工夫が欲しい。
・ 幅広いメニューの揃え方だと思ったが、例えば手巻き寿司をメニューで一括りにするならば3種類では少ない。
サービス
・メニューの説明や応対など感じが良かった。
・混雑してきても対応する人数が増えないので、客を少々待たせていた。
内装
・清潔感がある。
・ 壁にメニューを貼ってあるところにコートを掛けるので、メニューが見えなくなりもったいない。
 B店の客層は、20代後半〜40代前半のサラリーマンやOLのグループ。「囲炉裏焼」を売りにしているので店内に足を踏み入れた途端に、焼き物のニオイが鼻に心地よくついてきて思わず生つばを飲み込んでしまう、なんて情景を期待していたら、裏切られたというのだ。お客は、門構えから雰囲気があるのだから、当然期待する。この扉の奥にある食欲を大いにそそる空間へとワクワクして入る。なのに、その期待は裏切られてしまう。その時の失望はかなり大きいことを、店サイドは知るべきだ。
  隣席の客のテーブルに並んだ料理を見て、食べたくなるように、「ニオイ」が注文を導き出すのだ。嗅覚を効果的に刺激して、売上に結びつけたい。
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接待にも使える居酒屋
レーダーチャート 

上方御馳走屋 贔屓屋 心斎橋鰻谷屋    チェック者:20代前半

 

商品
・“接待にも使える居酒屋”というコンセプトがぴったりだった。
・ 「五目豆腐のチーズ焼き」は、オリジナル性が高かったが、特に売りとなるメニューではなさそうだった。
・ 店内が広かったので、急な多人数の時、確実に入れそうだったので、また来店したいと思った。
サービス
・オープンキッチンが、店内のとても目立つ場所にあるので、板前さんが調理だけではなく、お客への「ありがとうございました」と声を掛けた方が、店内全体に活気が出るだろう。。
内装
・看板が出ていたが、他店のものと比べて目立たなかった。たたみ敷きがとても心地よかった。

 

 今回の臨店チェックで、各カテゴリーが平均的に高かったのは、「上方御馳走屋 贔屓屋」である。場所は、前二店舗の大阪・北の激戦区に対して、南の激戦区、心斎橋。ビルの2階という場所柄からか、看板が目立たないという弱点はあるものの、「接待に使える居酒屋」として、オフィス街に隣接するという好立地から年配のサラリーマンの客も多い。
  和風の内装でもフローリングに座布団敷きという作りが多いなか、タタミ敷きが足に心地いいし、とてもくつろげると、好評である。
  雰囲気に対して、価格設定がリーズナブルなところも人気の秘密なのかもしれない。不況風がなかなか吹きやまない現在、接待費も削られる一方。でも日本企業の体質は変えられない。接待でビジネスがスムーズに運ぶことだってある。このようなビジネスマンの悩みを解決してくれるのが、「上方御馳走屋 贔屓屋」なのである。
  ただここでもサービス面に若干問題ありとのこと。スタッフの対応のグレードにばらつきがあったというのだ。メニューを選んでいると、タイミングよくオーダーを取りにくる場合もあるかと思えば、何度呼んでも来てくれなかったり、とサービスが一定していない。ただ、ここはフロアのスタッフが若者ばかりではなくて、年配者もいたせいか目が行き届いていたのかもしれない。若者のハツラツとした若さや元気さも必要かもしれないが、熟年者の気配りが、店内に花を添えることも忘れないでいたい。
レーダーチャート  B店-2  チェック者:40代前半
  ・「囲炉裏焼 居酒屋」という看板から売りであるはずの焼き物に特筆するものがない。
・ 『香ばしく焼けるニオイ』がしないので、焼き物に対する食欲がそそられない。
・付きだしが、中華風のクラゲと春雨ときゅうりのあえものでは雰囲気も壊れる。
・ 居酒屋の人気メニューである焼き魚、焼き鳥にもっと力を入れて「おすすめメニュー」にすると、施設の雰囲気と調和して、店の個性が強調されるのではないか。
・ 「びっくり皿うどん」「フランスパンのコキール」などのメニューも面白いのだが、黒っぽい内装に合わせて、もっとシンプルな居酒屋メニューを多くした方がよいのでは。
子どもの口と女のオチョボ口
上方御馳走屋贔屓屋 心斎橋鰻谷店
接待にも使えると評判の人気居酒屋にも手厳しい意見が……
北陸から直送される新鮮な食材をふんだんに使い、宴会にも社用にも使えるという『上方御馳走屋 贔屓屋 心斎橋鰻谷店』でも、「ウリのメニューが見当たらない」「板場の人達にも挨拶が欲しい」という意見があった。アラを探せばきりがないが、それでも「また来店したい」と思わせるのは立派である。




大阪府大阪市中央区
心斎橋筋1-3-29  川広ビル2F
電話:06(6241)7321
営業:17時〜4時
休日:年中無休
 最後に、提案をさしあげたい。
  洋服に男と女の区別があって、身体のサイズがあるのに、飲食店に男と女のサイズや区別がないのはおかしいと思わない?
  食堂に「大盛り」があって「小盛り」が少ないのは変だと思わない? 子どもに合った量、少食の女性の量、自分にあった量の選択に自由があっても、いいのではないだろうか?
  とあるオムライス専門店はサイズを選べるという。SSサイズからLサイズまで選択の幅があるとのことだ。こんな気配りには拍手を送りたくなる。コンビニ、ローソンで発売されていた「手鞠寿司」は、その形のカワイらしさと、女性が一口で食べられるサイズで人気商品になったという。
  そろそろ飲食店も既成概念に縛られていないで、顧客の年齢層の特性から発想した店の売りを開発する努力をしていただきたい。
 そこで、ヤマト運輸元社長、小倉昌男氏の言葉を最後に送る。「経営とは論理の積み重ねだ。なかには成功した他社のまねだけをしている駄目な経営者もいる。だが他社がなぜ成功したか、自社の経営に生かすにはどこを変えるのかを論理的に考える必要がある。考える力がなければ経営者とはいえない」(『小倉昌男 経営学』より)
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