2000.12.9 |
今月の特集 チェーン店に負けない店づくり(1/3)面
-大型店を凌駕する個人経営店の魅力とは?-
|
|
|
統一化された味と価格”当たり外れ“のない安心感がFC店の強み
日本の外食産業にFC(フランチャイズ)の業態が登場したのは、マクドナルドやケンタッキー・フライド・チキン、デニーズなどが上陸した1970年代のことである。その後、国内の大手企業が次々と店舗展開を繰り広げるようになり、市場規模は72年当時の約4兆7000憶円から約28億円(99年度実績)へと拡大。今や全国津々浦々の繁華街のみならず、私鉄沿線の駅近くにもFC店の看板を見かけるようになっている。
この躍進力は大手企業の資本力はもちろんのこと、集客率の高さを表すものでもあるのだが、その強さの要因とは一体何であろうか。編集部では、渋谷の街頭で20〜30代の男女40人にアンケート調査を実施(10月上旬)。「FC店の利用率」「利用動機」「評価ポイント」を中心に対面調査を行ったところ、次の結果が得られた。
まず「FC店の利用率」に関しては、「飲食機会2〜3回に1度の割合」が最も多く52%。次いで「4〜5回に1度」(28%)となった。
また、「利用動機」(複数回答)では「料金がリーズナブル」「待たずに座れる」「メニューが豊富」が主な理由。さらに気になる「評価ポイント」(複数回答)だが、「どの店舗でも同じ料理、味が楽しめる」がダントツのトップ(78%)で、その次に「明朗会計」、「サービス水準の高さ」になっている。
いずれの結果も、食材の一括大量仕入れによる低コスト・低価格の実現、客席数を誇る大型店の優位性、マニュアル化されたサービスなど、FC店の特徴を端的に反映したもの。おおかたの予想どおり、価格、味、サービスとも統一化された”当たり外れのない安心感“が、FC店へと足を運ばせていると考えていいだろう。
しかし、FC店の業績はここ3、4年にわたって足踏み状態にあり、その一方で、坪数40ほどの個人経営のお店の健闘が顕著になっている。「FC店の利用率」の数字が表すように、お客様はオリジナリティのある個店とFC店との使い分けを行っていることは明かで、その線引きのポイントを把握しているかどうかが、成否の鍵を握っていると言えるだろう。そこで、FC店が立ち並ぶ繁華街にあって、順調に売り上げを伸ばしている個人経営店を例に取り、立地・メニュー・サービスなどを分析、評価し、大型店に打ち勝つノウハウを探ってみた。
|
CASE1
創作料理居酒屋 うまいものやTOMO
マニュアルにはない多様なニーズに応えられる柔軟性をウリモノに
|