今月の特集 多彩な「味噌・醤油」の特徴をつかみ、料理に使いこなそう (3/3)面
「味噌・醤油」をもう一度基礎から 勉強してみよう
今月の特集キーワード  
  卓事情を反映する加工調味料の普及と業務用の需要増 1面
  土地の気候風土によって育まれ洗練された味噌・醤油 2面
  製造工程や調合、熟成で個性を発揮「色の分類」がおすすめ 2面
  高級・減塩・安全志向へより細分化が進む醤油の商品群 3面
  セレクトの幅もメニューの広がりも可能性は無限大 3面

 高級・減塩・安全志向へより細分化が進む醤油の商品
 醤油は日本農林規格(JAS)によって、濃口醤油、薄口醤油、再仕込み醤油、たまり醤油、白醤油の5つに分類されている。品質に関する目安としての等級もあり、基本的には特級、高級、標準の3つだが、特級の中にはさらに特選、超特選などがある。この判定には、醤油の性状(光沢や香味)、全窒素分(アミノ酸の構成成分)、無塩可溶性固形分(醤油から水と塩分を引いたエキス分)などの項目があり、等級に応じて基準値をクリアしなければならない。現在は消費者の高級志向もあって、一般 の醤油のほとんどが高級以上である。
 これらの厳しい規制が設けられたのは1963年と意外に早い。当時出回り始めたアミノ酸混合方式の醤油と、昔ながらの本醸造との価格や風味の違いが問題となり、原料や製法に統一基準を求める声に応えて設定されている。また、この製造方式だけで分類すると、本醸造方式、新式醸造方式、アミノ酸混合方式があるが、全体の8割が本醸造方式に落ち着いているといわれる。ではここでも、代表的な本醸造方式に添って醤油の製法を解説していこう。
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まず、蒸した大豆と煎ってから挽いた小麦を混ぜ合わせる。これに種麹を植えつけて麹をつくる。 => 麹に食塩水を加えて「もろみ」をつくり、約半年間、時折攪拌しながら発酵・熟成させる。 => でき上がったのが「熟成もろみ」。これを圧搾して取り出したのが「生醤油」(生揚げ醤油)である。 => このままでは、残った酵素によって熟成が進むため、仕上げに加熱する。これが「火入れ」の作業。加熱によって酵素の働きを止めるとともに、色・味・香りを整えて完成する。


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