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不景気旋風が吹き荒れるなか、飲食店でもそれは例外でない。
狂牛病のおかげで、様々な業態が苦しい選択を余儀なくされているが、
アイディア勝負の飲食店には、行列の絶えない店もある。
「デフレ」や「リストラ」など不況のキーワードは数あれど、
人を惹きつけるキーワードはなんなのだろう?
行列の出来るアミューズメント・レストランを3店を例に、
流行の仕掛けを考えてみよう。
◆生きて帰るには十字架が必要?!◆
『VAMPIRE CAFE(ヴァンパイアカフェ)』
エレベーターを降りるとこうもりのシャンデリアと真っ赤な世界が目に飛び込んでくる。
じゅうたんは黒地に薔薇柄、フロアの真中には燭台から赤蝋が滴った大きな五角形の
棺……。
いかにもドラキュラ伯爵が出てきそうなレストランである。 吸血鬼をメインテーマにゴシックな雰囲気を醸し出したのがここ。
癒し系というキーワードはもはやここでは通用しない。
ある種の、「瞑想感」というか吹っ切れた「悟り系」をフューチャーした、
『トランス系』が、これからのキーワード。
ここは、まさしくヴァンパイアの世界へ誘う「ぶっ切れた感」を押し出したレストラ
ンなのである。
赤いカーテンに仕切られた個室のような席。テーブルの上には赤いアルコールランプ
と小さなベルが。
このベルを鳴らすと頭にフリフリをつけたメイドスタイルのかわいいスタッフが登場。
メニューと共に運ばれてくる金色の盃に入った食前酒と小さな棺型の器に入ったお通
しはドラキュラ伯爵からのおもてなしのよう。
◆ 絶叫してストレス解消!◆
「ザ・ロックアップ渋谷店」
名古屋を拠点に、飲食点やリゾート関連を展開するセラヴィリゾートの
アミューズメントレストランが「ザ・ロックアップ」。
最新の渋谷点は連日、長蛇の列が続いている。
17時のオープンから少し過ぎた時間にロックアップでは、まだ混む時間ではないと思ったらすでに短いながらも行列が!
驚きながら待っていたところどうやら混んでいるわけではなく、 入店に時間がかかる……時間を見計らって、一組一組店内に案内しているようだ。
何かが起こることは察知できた。前に並んでいた女の子6人組みが入店。
途端に悲鳴が!!!
暗くなった店内では足元がおぼつかないのだが、そこに、ぐらぐらとするつり橋
が……。
◆“アラビアンナイト”がテーマの
◆
「レストラン ル・アラダン」
関西から発展しているユージーグローイングアップ系列は、話題の店作りがうまい。「ボビーズ・カフェ
」、「ブッツ・トリックバー」、「エレファント・カフェ」、 「クリストン・カフェ」と、
安価で料理を提供し、新鮮なインテリアで次々に話題をさらってきた。
最新の「ル・アラダン」のテーマはアラビアンナイト。中近東が魅惑の街でテロさえ
なければ、 エジプト、イラン、ドバイなどは新しい観光地として注目を浴びていたということ
を、 考えると、とてもタイムリーな選択だったといわざるを得ない。
(テロがあって、行けないからこそアラビアン・ナイトがいいというかも……)
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