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2002.10.27
高級魚の象徴であるフグの値段が、最近目立って下がってきている。
てっちり(ナベ) が1人前2000円以下、
コースでも3000円台というのも珍しくない。
2万円、3万円の料金 を取るのが当たり前だったフグ料理店に、
いま何が起きているのかを探ってみた。

「玄品 下関ふぐ」の
4980円のコース料理
暴利を得ていた東京のフグ専門店

  てっちり1人前1980円。てっさ(刺身)1人前980円。てっちりとてっさ、湯引き (皮刺し)、雑炊、香物のセットが1人前3700円。それに唐揚げが加わると4980円。
 サラリーマンの懐で十分に手の届くフグ料理を提供しているのが、「玄品 下関ふぐ」チェーンである。同チェーンは関西に22店、関東に店あり、年商は40億円を数えるが、これだけの破壊値なのに使うフグは、フグの中でも最高級の食材、トラフグのみ。なぜ、そのようなことが可能なのであろうか。


 「大阪ではこれが普通の価格ですよ。これまで東京のフグ専門店は、暴利を取りすぎだったんです」 と語るのは、同チェーンを展開する関門海(大阪府松原市)の岡本洋一常務。
「玄品 下関ふぐ」
新橋店
 同社は22年前、大阪府の郊外、藤井寺市で山口聖二社長が起こした10席ばかりの小さなフグ料理店より発祥。店内の水槽に生かされた「泳ぎトラフグ」を網からすくってその場でさばき、新鮮なてっちり、てっさを提供することで人気が高まった。
 東京には平成11年(1999年)12月に新橋店がオープンし、初上陸した。
 この価格で販売できるからくりは、1つは養殖物のトラフグを使っていること。しかも、大量 に仕入れるので価格を下げられる。トラフグの値段は天然物と養殖物では5〜8倍は値段が違う。味も比較にならない。「食べ比べれば、素人でも一目瞭然」(岡本常務)という。彼の「東京は高すぎる」という発言は、東京では養殖物を天然物に混ぜたりしながらも、1人前で万単位 の値段を平然と取る店があることを指してのものである。

 
 

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