2004.8.1
 「いらっしゃいませ、ご主人様」とメイドさんがお出迎え。今時、封建時代の遺物のようなメイドなど、世の中にはいそうもないが、アキバ(東京・秋葉原)だけは特別だ。メイドのコスチュームを着たウェイトレスが接客する「メイド喫茶」が、10店近くしのぎを削る。顧客はいわゆるアニメやゲームが好きな「おたく」が中心。彼らは、メイドに“萌える”と言い、足しげく通う。この摩訶不思議な「メイド喫茶」が全国に増殖中なのだ。
「cos−cha(コスチャ)」店内
スクール水着イベントに
長蛇の行列600人


 「店を始める時にアルバイト情報誌で、メイドを募集しようと思ったんです。でも、その前に、オープン告知のためのホームページをつくって、試しにそこで募集をかけてみたのですね。20日間で600人以上の応募が来ましたよ」。

 秋葉原に10数店あるメイド喫茶の中でも、人気店で知られる「cos−cha(コスチャ)」の創業者で店長の亀井昌英氏は、昨年5月、オープン時の反響の大きさを興奮気味に語ってくれた。

 応募してきた女性たちは、たいがいが、東京・有明の東京ビッグサイトで夏と冬、2回開催される「コミケット(=コミック・マーケット)」で、コスプレを披露するようなコスプレーヤー(略してレイヤー)たち。あるいは、コスプレをしたことはないが、それに抵抗のない人たちだった。いわゆる「おたく」系の女性は、たいがいパソコンを持っていて、自分でホームページをつくっている人も多いというほど、電脳世界に詳しいのだ。

 
2004年8月1日 取材・執筆 長浜淳之介
 
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