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2004.10.10
「丸の内オアゾ」開業効果で見えてきた「広域丸の内」商業圏

9月14日の「丸の内オアゾ」と17日の「丸の内マイプラザ」のオープンによって、丸の内が再度、活況を呈している。2周年を迎え、一服感のあった「丸ビル」までもが、開業景気をの恩恵を受け、連日賑わっている。「丸ビル」に入居したレストランの中には、新店を展開したり、FCを始めるなど、ステップアップしたところも出始め、その飲食ベンチャー揺籃の場としての役割が、明らかになってきた。再開発は八重洲、日本橋でも目白押しで、銀座を含めた巨大商業圏、「広域丸の内圏」が形成されつつある。


「丸ビル」にオープン景気が戻ってきた

丸ビル

竣工後2年経つ「丸ビル」

「いやあ、オアゾがオープンして以来、お客さんが増えていますよ。明らかに効果が出ています」と思わぬ開業効果に相好を崩すのは、「丸ビル」5階のイタリアンの店「イゾラスメラルダ」の大倉智マネジャー。
「丸ビル」36階の高級和食店「暗闇坂 宮下」でも、「オアゾのレストランとウチの客層は違うかなと思っていたので、あまり期待していませんでしたが、お客さんは1割以上は確実に増えています。このぶんなら、今後の商業ビルの開業時にも効果が見込めそうです」と三嶋拓店長の表情も明るい。

新生「丸ビル」が竣工してはや2年。開業して1年を経過した頃からは、さすがにオープン景気も引いて、前年比で7割ほどと客足も落ち着いてきていたが、今秋の丸の内再開発地区は、9月14日に「丸の内オアゾ」、17日に「丸の内マイプラザ」と2つの商業施設が相次いで開業。雑誌、テレビでの露出も多く、再び丸の内に世間の注目が集まっている。
それとともに「丸ビル」の来客数も増加して、往時の勢いに迫っているようなのだ。
顧客層もオープン当時の年配層、地方から来たカップルやファミリーなど、観光客が戻ってきており、ビジネス街に立地している弱点があるために、土日祝日に顧客数、売り上げが減る傾向も解消されている。
昨年春に竣工した、「日本工業倶楽部会館・三菱信託本店ビル」の場合は、6月にオープンしたニューヨークの高級食品セレクトショップ「ディーン&デルーカ」が話題を集めたが、商業施設全体にインパクトが少なかったせいか、「丸ビル」の集客にはほとんど影響を及ぼさなかった。それだけに「丸ビル」各店は、新商業施設によって何かプラスの効果が、もたらされるかどうかは半信半疑であったようだが、「この開店景気がいつまで続くかはわからない」と口々に述べつつも、今後もしばらくオフィスと商業の複合施設のオープンが毎年のように続く、丸の内再開発事業の進展に、期待感が高まっている。
商業テナントのモチベーション・アップは、丸の内再開発事業に好影響をもたらすに相違ない。ディベロッパーとテナントに連帯感があってこそ、街づくりが成功するからだ。

取材・執筆 長浜淳之介 2004年10月10日

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