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第34回 2004年6月13日
 厨房から張りのある声が響く鴨料理の店「鴨シャブ 竹亭 赤坂店」。店主の新美氏が京料理の店「竹亭」を愛知・阿久比に出したのはおよそ20年前である。2年前に東京・赤坂に進出、名物の「鴨らーめん」はランチでも食べることが出来る。
店主の新美氏。お客様と
話し込むこともしばしば。
 16歳より板前として厨房に立っている新美徳造氏(通称:大将)は、大阪をはじめとする各地で修行を重ね、昭和56年に生まれ故郷の愛知・阿久比に京料理の店「竹亭」をオープンさせた。地元の人間に愛された同店は名古屋に「鴨らーめん錦店」を出店、そして大将の「自分の腕で勝負したい」という強い思いから東京進出を決意し、2年前に「鴨シャブ 竹亭 赤坂店」を構えた。

野菜と一緒に食べると美味しい
 明るい色合いの店内、おしゃれな器、そして鴨料理。どれも大将が選び、そして作り上げたものだ。
 京料理のお店の店主であった大将は「このままでは2番煎じが増え続ける」と考え、「調理が難しいけど素晴らしい素材」である鴨に目を付けた。



 
鴨シャブシャブはくるみだれに
お好みで山椒を加える
 同店は宮内庁御用達の国産鴨を仕入れ、刺身でも食べられる鴨肉をしゃぶしゃぶで提供している。お昼時には「鴨らーめん」が人気である。
 すべての素材が強い味わいを持ち、メンマは筍の香りが口の中で広がる。ワラで炙ったという鴨肉(ロース)は瑞々しく、香ばしい。

ランチで人気の鴨らーめん(ロース)
 同店では大将が厨房に入り、お客様を迎えるのは2人の娘さんである。「小学生の頃からお店に立っていた」というだけあり、おもてなしの心遣いが温かい。
 「鴨シャブ」の野菜はサービスなのでおかわりも可。鍋は鴨のダシにしいたけのスライスが加わっており、まずは三つ葉とネギともやしを軽く火を通してから鴨肉をしゃぶしゃぶする。

 生でも食べられる鴨肉は「ふわっとしたら取り出してください」ということで、最初の1枚はお手本を見せてくれる。

清潔な店構えが
店主の心を表している
 くるみだれが美味しいのでおかわりをしたいところだが、最後に人気メニューの「つけ麺」を食べられるだけの余裕は残しておきたい。
 「つけ麺」はニラとにんにくが入った鴨ダシで食べるのだが、食欲を喚起する強い香りが極細麺に絡んで、あっという間に食べ終えてしまう。

 「あくまで料理が大事」という大将の言葉通り、このお店でいちばんの強みは鴨料理であろう。そしてお客様を大切にする娘さん達は多くの常連客に愛されている。大将の「おおきに」という言葉と娘さん達の「いってらっしゃいませ」「お気をつけて」という言葉が心に残ったまま、お店を後にする。
 大切にしたいものがいっぱいつまっている店、それが「鴨シャブ 竹亭 赤坂店」である。
 
 
鴨シャブ 竹亭 赤坂店
住 所 東京都港区赤坂2-13-13
アープセンタービル地下1階
電話番号 03-5562-0339
営業時間 昼 11:30-14:00
夜 17:30-21:00(土曜日は夜のみ営業)
定休日 日・祝・第三土曜日
U R L http://www.shinzou.co.jp
席数 カウンター 12席/テーブル 4名×3卓
これが
おすすめ
昼は鴨ラーメン(ロース)、
夜は鴨シャブと〆のつけ麺
取材・執筆 山越 龍二 2004年6月13日
 

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