・廃棄物を一元管理する
日々、外食店から出るごみ。それを毎日計って、廃棄物処理業者の請求書とつき合わせている店長はいるだろうか。処理業者と金額を交渉している本部はあるだろうか。
サティスファクトリーインターナショナルが行っているサービスは、自社内に設けた廃棄物処理課のように廃棄物全体を一元管理してくれる。人を雇って自社内で行うより、安くアウトソーシングできるのが同社の強みだ。既存の廃棄物処理業者をそのまま使い、彼らとの交渉窓口となってくれる。
その効果は、コスト適正化、リスクマネジメント、リサイクルの3つ。
・まず、コストダウン
閉店作業で疲れた店長はゴミの重量をきちんと毎日測ることは困難だ。サティスファクトリーはスタッフを店舗に派遣し、店長と面談し、ごみの重量を測り、処理業者との交渉材料を集める。チェーンであれば全店に赴くのではなく、売上の度合いから店舗パターンを絞り、100店のチェーンであれば5店舗程度のみ実際に測りに行く。蓄積したノウハウから、それで全体のごみの量が把握できる。それを基に、現在の処理業者と価格交渉を行う。
店に足を運びゴミの量を測るサティスファクトリー社員
8割のケースで、サティスファクトリーの管理費を加えてもコストが下がるそうだ。同社の管理費は、処理費用の%ではなく、店舗あたり約5千円の定額のため、コストダウンの力が働く。
また、地区ごとに異なる廃棄物処理業者の請求書を1本に束ね、本部に一括請求してくれるので経理処理の面でもコストダウンとなる。
・コンプライアンスに抵触するリスクを回避
そして、リスクマネジメント。処理業者と契約書を交わしていない企業が多い。また、反社会的勢力が経営していたり、不法投棄など行政処分を受けている業者もある。サティスファクトリーはこれらの情報を最新で提供し、リスク回避の手助けを行う。仮に反社会的勢力であれば同社が切換え交渉を主導してくれる。自社の社員では難しい交渉だ。
廃棄物処理業者は市町村により認可されているが、なわばり意識が強く、各業者で競争が起きにくく、利権構造になっているところもある。複数の業者から相見積を出して安い方に決めるということができにくい業界だ。
・リサイクルし、将来は環境報告書も
リサイクルに取り組む企業のサポートも行っている。パンはパンだけ、うどんはうどんだけと店舗で廃棄物を分別してもらうことが必要。それを飼料に加工し、畜産農家に販売している。ある食品工場がリサイクルに取り組み、今まで廃棄物処理費用を支払っていたが、飼料として販売し利益がでるようになったところもあるという。
最終的には、企業の環境への取り組みを公表し社会的信頼を高めることができる、環境報告書まで作成できることをサティスファクトリーはめざしている。
・小松氏は「カフェドクリエ」FCから環境ベンチャーへ
小松氏は旅行代理店のサラリーマンだったが、1997年に「カフェドクリエ」のFCとして、独立。茅場町店だ。当時、オープンの忙しさから廃棄物処理業者の選定は本部任せにしていた。経営に慣れるとともにコスト意識が強まり、廃棄物処理について独学。処理費用を月3万5千円から1万5千円にまで下げることに成功した。そこで気付いたのが、廃棄物は利権ビジネスということ。それを構造改革すればビジネスチャンスになると考えて現在のビジネスモデルにたどり着いた。
1999年から廃棄物の一元管理をスタートさせ、現在約3500ヶ所の店舗を受託している。内、7割が外食店。毎月約100店舗のペースで受託先が増えているという。
そして本年、財団法人 店舗システム協会主催の「JAPAN SHOP SYSYEM AWARDS
2008」優秀賞を受賞した。環境は今後、企業活動で注目される分野、サティスファクトリーにも注目が集まっている。
「JAPAN SHOP SYSYEM AWARDS 2008」優秀賞 授賞式