・新規物件1日300件、マッチすると瞬時にメール配信
テンポリノベーションの強みは、日々更新される撤退物件情報と出店希望者をマッチングさせるシステム。
不動産業者ネットワークやホームページの問い合わせ、独自に足でかせいだ情報など、1日約300件の新規撤退物件情報が収集され続けている。システム上では常時、約3千件の情報が閲覧できる。出店希望者は希望条件を予め登録しておくと、それにマッチした物件情報が入った時に瞬時にメールアドレスに物件情報が届く仕組み。1秒でも早く物件を見に行きたいというオーナーのニーズを満たしてくれるシステムだ。
さらに、同社の強みは、外食チェーン企業の撤退情報を開示される前に入手できること。外食チェーンの作る店舗は個店では難しいくらいに高いコストをかけた造作、立地も申し分ない物件が多い。個店では今まで入手が難しかった優良物件情報を手に入れることができる。30坪前後の個店でも出店できるサイズの物件を積極的に収集している。
成約件数はレインズ傘下時代で月間約10件。レインズ時代の個店向け出店実績は約100店にとどまっていたのが、5月の買収で250店を超え、同システムをリピート利用する出店希望者が増えることが予想され、成約件数は今後、大幅に伸びるであろう。
左はレインズから移ってきた、志村洋平氏(株式会社テンポリノベーション 経営管理部 取締役 経営管理部長)
・サブリース、フルリースと多彩なメニュー
同社のサービスメニューの基本となるのは、「開発代行サービス」である。これはチェーン企業では当たり前に持っている店舗開発部の機能を代行するもので、出店したい物件を紹介するのは勿論、物件の内見や周辺立地調査、家主との交渉を行うパッケージとなっている、これに加え、信用を補完する「契約代行(サブリース)」、初期投資費用を抑える「資金調達(フルリース)」など多彩なメニューが出店希望者に提供される。同社のサービス特徴は、前述した物件をリアルタイムに紹介する事と希望物件を取得するスピード、まさしく自社の為の店舗開発を実践する。
レインズ時代のテンポリノベーションは、家主との間に入って上場企業の信用力を利用して一次賃貸借契約を行い、出店希望者に転貸する「契約代行(サブリース)」が主流であったが、テレウェイヴの買収により、内外装・厨房機器の資金調達代行までカバーする「資金調達(フルリース)」も新たに加わった。手元資金が少ない方でも店舗が持つことができる体制が整った。まさにテレウェイヴが目指す、スモールビジネス支援を実現させた。
出店に際しては、物件だけではなく、業者紹介や集客のための販促、人材育成と様々な業種でスモールビジネスを育ててきたテレウェイヴならではノウハウが生かされている。
・東京進出したい方向け、「東京進出パック」
食品やガソリンの値上げとともに、景気低迷がささやかれる日本経済。特に、地方経済が弱さが目立つ。地方と比べて景気低迷の影響が少ないのが東京だ。どうせ資本を投下するなら比較的景気の良い東京に出店しようという動きがある。また、地方から全国展開を目指す意欲的な方にとって、まずは最大のマーケット、東京に出店し成功させることが不可欠である。
そんな東京進出の夢を叶えてくれる同社のサービス「東京進出パック」が話題だ。土地勘のない方々に繁盛店視察ツアーを開催し、都内の人気店や物件の相場観を教えてくれることから始まり、物件紹介、資金調達、業者選定、販促支援、人材育成まで面倒をみようというパッケージだ。これらは、あくまでも物件紹介のための付帯サービス。一部有料のものもあるが、基本的には無償で支援してくれる。
東京進出パックを使って西新宿に出店した「釜焼鳥本舗」の釜焼鳥
「釜焼鳥本舗」新宿店 店内
実際にこのパックを活用して東京出店を果たしたのが、有限会社 大真。香川県名物「釜焼鳥」を提供する店「釜焼鳥本舗」を愛媛県で直営2店展開している。東京には、FCとして池袋西武百貨店にイートイン7席があるだけで、直営での出店を夢見ていた。2007年、「東京進出パック」を活用して、フルリースで西新宿に「釜焼鳥本舗 新宿店」をオープンさせた。
物件紹介を通して、個店でも外食企業と互して十分に戦えるよう支援を行い、外食産業の活性化に貢献しているのがテンポリノベーションの出店支援サービスだ。