フードリンクレポート


<サポーターレポート>
M.R.Sと、グッドウィルOBが仕掛ける、明るく透明な人材派遣。
株式会社 ワン&オンリーキャスティング

2008.9.5
「コカ・レストラン」、「由○」などを展開するM.R.S(元マルハレストランシステムズ)の専務取締役、熊谷亜里氏と、グッドウィルで外食向け人材派遣事業を立ち上げた田口直樹氏の2人を中心に、グッドウィルOBも加わり、新たな外食専門人材サービス会社、ワン&オンリーキャスティングを立ち上げた。かつての経験を反面教師に、明るく透明な人材サービスを提供しようとしている、ワン&オンリーキャスティング 常務取締役 事業本部長の田口直樹氏を取材した。


ワン&オンリーキャスティングの創業メンバー。中央の紺ジャケットが熊谷社長、右隣が田口常務。

派遣と、紹介の両輪でワンストップ解決

 外食業界で派遣が定着し始めた矢先のグッドウィルの廃業のニュースには驚かされた。ピーク時には外食向けだけで派遣先1万店、年商50億円にも達していた。毎年、5割増以上で伸びてきたビジネスだった。その事業を立ち上げ、リーダーを務めていたのが田口氏。その後、管理部門に移動となり執行役員にまでなった、やり手のビジネスマンだ。

 外食業界が好きで、自ら手を挙げて外食向け事業を開発。外食担当を離されてからも、いつかは外食向け人材派遣で独立したいと考え続けていたという。その田口氏。

 片や、タイ料理「コカ・レストラン」や「マンゴツリー」、インド料理「ニルヴァーナ」、博多ラーメン「由○」、さらには本年5月に品川高輪口に開店し予約が取れない「シンガポール・シーフード・リパブリック」など多国籍レストランを約30店展開している、M.R.S(元マルハレストランシステムズ)。さらなる発展のために、人材不足の解消と出店を加速させようと考えていた同社専務取締役、熊谷氏の思いが田口氏と合致。そして、グッドウィルOB10名を召集して9月でスタートさせたのが、ワン&オンリーキャスティング。

 ワン&オンリーキャスティングは本年9月に人材派遣業免許を取得しと11月に有料職業紹介業の免許を取得予定した。M.R.Sとコラボレーションし、M.R.Sで働くアルバイトスタッフを同社からの派遣に切り替え、これをベースに、多くの外食企業への人材派遣の営業活動をスタートさせた。また、特定の企業に専門に派遣する、専ら派遣が禁じられるため、他の外食企業への営業活動が義務付けられている。

 同社の特徴は、法律で定められた1ヶ月以上の派遣と、派遣した人材を気に入れば社員として紹介するという、人材採用がワンストップで行える点。グッドウィルの1日単位の派遣とは全く異なるビジネスモデルだ。人材の不足する飲食店側は、アルバイトが集まらない場合の利用だけでなく、社員にすることを念頭に派遣する、いわゆる紹介予定派遣として活用することもできる。

 現在は新宿が本社と支店の機能を持っているが、3年後には営業拠点を首都圏で8ヶ所に増やし、多店舗展開する外食企業のニーズに応えていく計画。

 食品やガソリンの相次ぐ値上げにより、景気が低迷し、人余り感が出始めたが、飲食店の業種や規模によって人材に偏りがあるのが現状。まだまだ、人材派遣に頼らざるを得ない店舗が多い。また、12月など繁忙期だけのスタッフ増員には派遣の大きな助けとなる。

もちろん、派遣登録者の方々にも、社会保険に加盟させるなど法律を順守し、安心して働ける環境を提供する。


派遣者と直接雇用者を平等に扱って欲しい

 飲食店が派遣を初めて依頼する際に、気になるのは2点。「価格は?」と、「どんな人?」。価格は、募集や管理のコストが含まれているので、当然、アルバイトより時給が3割ほど高い。しかし、求人広告を出しても集まらないリスクも考えて、派遣か直接雇用かを選択した方が良い。

 人材は、20〜30代前半で、9割が飲食業界経験者となっている。転職活動中の方々や、独立などの為に色々な飲食店を見てみたいという方々だ。但し、扱い方を間違えると、直に辞めてしまい、日々違う人を派遣会社から送り込んでもらうことになってしまう。

 派遣の賢い使い方は、

① 派遣者と直接雇用者を平等に扱う。
派遣者は募集や管理コストが上乗せされているので、店が支払う時給は、直接雇用者より高い。すると、派遣者がいじめられる恐れがある。初日から、既存スタッフと同じように働くことを期待されても、どんな能力のある人でも要領を得ないのは当たり前。

② 派遣と直接雇用を使い分ける。
通常月は直接雇用者で運営し、12月など繁忙期には派遣者を利用する。しかし、繁忙期は派遣へのオーダーが集中するため、早めに派遣会社への発注が必要となる。仮に、予定通りの派遣が不要になったり不足しても、後での変更は可能。

③ 事前に上手な派遣の受け入れ方法を派遣会社から聞く。
上記の2点について事前に詳しい説明を受ける。初日が派遣者にとっても店側にとっても続くかどうかの勝負になってくる。そのためにも事前の知識が必要だ。

 これから、12月の繁忙期を迎えるにあたり、飲食店は人材のシフトをチェックし、直接雇用や派遣の判断を早めにし、お客を帰してしまわぬよう、商機を逃がさぬようにしたいものだ。その判断材料として、グッドウィルの膨大なノウハウを持つ、ワン&オンリーキャスティングは信頼できる相談相手になってくれるだろう。


田口直樹氏(ワン&オンリーキャスティング 常務取締役 事業本部長)


株式会社 ワン&オンリーキャスティング http://www.oneandonlycasting.com/

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2008年8月25日取材