今月の特集『有機農産物が市場から消えるとき』(2/3)面
--大混乱女性に人気のオーガニックが消滅!?--
--有機栽培新基準スタート直前の動向と対策講座--
今月の特集キーワード  
  売れる人気ブランド「有機」食品が市場から消える? 1面
  新基準制度スタート!「有機」の表示が4月から狭き門に 1面
  飲食店のスタンスは今までと変わらず新基準には対応しない 1面
  自家農園で収穫した有機野菜を使うこともアンテナショップとしてのお客様へのメッセージ 1面
  ”健康になれる外食“を実現するためにオーガニック食材で21世紀に向けた食の設計 2面
  総料理長が起こした食材による社内革命を店づくりの土台にめざす”東京イタリアン“ 2面
  店のポリシーを明確に供給ルートを広げ農業研修にも参加しよう 3面
  飲食店には規制なし各店のモラル次第ウソのない表示を 3面
  問題は安定供給流通業者を活用して「有機」の門を突破 3面

”健康になれる外食“を実現するためにオーガニック食材で21世紀に向けた食の設計
 とろろ芋の入った土葱のグラタン・1000円」。冬は「風邪の予防」がテーマとなったメニューが多いが、グラタンにもその効果大の土葱がびっしり!
 『すみれ家』の場合、21年前に弁当屋としてオープン以来、安全でおいしい有機食材を追求し続け、全国に多くの供給ルートを開拓してきた。おかげで現在は自家農園と産直からの仕入れで、100%の有機農産物利用が実現。さらに、そのネットワークを活用してレストラン経営以外にも、有機食材の販売や自然食レストランのプロデュースやコンサルティングなど、食に関するさまざまな事業を(有)すみれ家の自然食コンサルティング事業部として展開している。
「昆布〆めしたサバと冬野菜のサラダ・1500円」
  「レストランの方は昨年11月にリニューアルし、21世紀に向けた食の設計というスタンスで、お客様へのさりげない提案を行っています。これまでは、食後は家に帰って眠っていただけるように頭を休めてリラックスするメニュー構成だったのですが、現在は食べて元気になれるメニューへ変更。”健康になれる外食“をめざして、個々のお客様の体調に応じた注文にも積極的に応じています」
  夏は夏バテ予防、秋は成人予防、冬は風邪予防、春は1年分のエネルギーを蓄える……そんな四季ごとのテーマを設定しているのも、食の設計のひとつ。だが、それは決して大げさなものではなく、旬の食材の力を活かしきる調理をすれば自ずと生まれる効用だという。
「でも、あくまでも基本は”おいしく“。オーガニックだからいいのではなく、おいしくてからだにいいものがオーガニックだった。その姿勢を忘れずに、これからもオーガニック食材と関わっていくつもりです」
住宅街の一角に、太陽と土と海をイメージしたエントランスが可愛らしく目を引く
  今春には欧米のオーガニックのエキスパートを招いてのフェアも開催。21世紀の子どもたちの健康を担う食を、世界へと広げていく。
田村奈緒子店長。オーナーである母の後を継いで店長に。日本健康科学学会の理事も務め、食を通した健康づくりを推進。著書に『オーガニックキッチン(春)』(柴田書店刊)がある。

東京都杉並区荻窪4-27-14
03-3393-0688
営業時間/11時30分〜13時15分(LO)
      17時00分〜22時00分 (LO)
   土日 17時00分〜22時00分 (LO)
定休日/月曜・祝日  客席数/24席
客単価/夜4,500円
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総料理長が起こした食材による社内革命を店づくりの土台にめざす”東京イタリアン“
「おいしい野菜のペペロンチーノスパゲティ・1150円」。総料理長の長岡シェフ自らが日本全国を飛び回り、直接、仕入れルートを開拓してきたパワーある食材が同店のウリ!
 西麻布の交差点近くにある『ベリーニ トラットリア』の場合、ヒューマックスグルー プ全体の総料理長を務める長岡健太郎氏が食材開発に乗り出したことから、「有機」への取り組みも始まった。自ら産地を訪ね、群馬県倉渕村をはじめとした全国の産地で生産される有機栽培野菜、抗生物質を使わず安全な飼料で健康的に育てられた伊達鶏や坂東もち豚、三陸などから直送される天然ものの魚などの供給ルートを開拓。これらの高品質で安全な食材は同グループの店づくりの土台ともなった。
 青果卸『まつの』と契約している研修農場での農業研修。参加したスタッフは、素材に対する意識が変わるという
  「”東京イタリアン“という当店のコンセプトも、長岡が開発したそういった力のある食材をベースに、日本人の嗜好に合うオリジナルイタリアンを作るというところから生まれました」と今川支配人。
  当然、そこには食材に対する徹底した教育もあったようだ。倉渕村や長野県菅平の研修農場での農業研修もそのひとつ。「農業研修に参加することでスタッフの食材に対する姿勢が違ってきます。たとえば、それまで面倒に感じていた野菜の”洗い“の作業が嫌ではなくなったり、丁寧に無駄なく食材を使い切るようになったり……接客においては、お客様への料理の説明ひとつをとっても、深いところから話ができるようになりました」
 「慣行栽培野菜使用のお知らせ」。天候の影響などで有機栽培野菜が使用できなくなった場合に、同店ではお客様にこのシートを提示し、正直に情報を公開している。
  さらに、長岡氏は食材を取り巻く環境整備も推し進めた。求める食材や価格についてじっくりと取り引き業者と対談。そこで業者を絞り込んだうえ、さらに毎年のコンペで取り引き権利をかけての入札。これでコストの抑制にも成功したのだ。レストランの現場を最もよく理解した人間のこうした行動がグループ全体を大きく動かしていったことはいうまでもない。
  「長岡を中心として始まった有機農産物への取り組みは現在、全社的に広がっています。同店での現段階での導入は7割といったところですが、これからさらにネットワークを広げながら、100%へ近づけていきたいですね。
 100席の広々とした店内。ランチタイムは主婦層、ディナータイムは20〜30代前半のOLやビジネスマンが多い。月2回開催している料理教室も女性客に人気
  それと同時に、”東京イタリアン“の認知を、もっともっと広げていきたいと思います」







“東京イタリアン”というコンセプトを、もっともっと皆さんに認知していただけるよう頑張ります」と、今川雄介支配人
東京都渋谷区宇田川町20-15
ヒューマックスパビリオン渋谷公園通り8F
03-5489-1371
営業時間/平日:11時30分〜14時00分(L.O)           17時30分〜22時00分(L.O)
      土日:11時30分〜15時00分(L.O)
定休日/年中無休 客席数/100席
客単価/昼1,800円・夜5,000円
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