2002.3.10  
 
京都府の伝統野菜である『京野菜』。
いにしえから続くこの野菜たちが、
今見直されている。
千年を超える伝統の野菜は、
「京料理」に欠かせないものとして、
全国的に人気が広まっているのだ。
きっかけは相次ぐ京料理店の東京進出!
本物の「京野菜」を使った料理が
ブレイク寸前なのである!!
 


  京都の伝統野菜。
その定義と種類を知ろう


 貴重な伝統野菜である「京野菜」。京都の名店が関東進出をするたびに、知名度が挙がり、その人気は急上昇中だ。
 実は「京野菜」は昭和35年に、京都府の「伝統野菜の品種保存」の検討対象になり、21品目、105種が選定された。
 その後、特産蔬菜(そさい)保存圃場(ほじょう)を設置したり、原種保存や種子分譲などがあり、昭和62年には「京の伝統野菜」の定義を次のように定めたのである。


1.明治以前に導入された、歴史を有する。

2.京都市域のみならず、府内全域を対象とする。

3.たけのこを含む。

4.キノコ類、シダ類(ぜんまい、わらび他)を除く。

5.栽培、又は保存されているもの及び絶滅した品目を含む。

 以上、5つの条件だ。

 3の「たけのこを含む」という表記になぜ? と思われる方もいると思うが、たけのこは、竹の若いものであり、イネ科タケ亜種に属する植物であり、野菜ではない。
 しかし、京都のたけのこはうまいと評判で、これを「京野菜」というカテゴリーから外すのは、もったいない、として敢えて例外規定を設けたのだという。
 京都府農林水産部発行の「京の伝統野菜」には、現存する伝統野菜として、
 「だいこん」「かぶ」「つけ菜」「なす」「かぼちゃ」「とうがらし」「うり」
 「さといも」「ごぼう」「ささげ」「うど」「みょうが」「ねぎ」「せり」
 「くわい」「たけのこ」「じゅんさい」 の17品目が挙げられている。

 この品目を詳しく見ていくと、お馴染みの「京野菜」の種類となっていくわけだ。 中でも、一番種類が多いのは大根。「辛味だいこん」「青味だいこん」「時無だいこん」 「桃山だいこん」「茎だいこん」「佐波賀だいこん」「聖護院だいこん」の7種類があるのだ。
 ちなみに、現存しないもので「伝統野菜」に指定されたものは、 「郡だいこん」「東寺かぶ」「聖護院きゅうり」の3種類。

 「万願寺唐辛子」も京野菜としては有名でよく売られているが、これは大正末期から昭和初期に、 舞鶴市の万願寺で作られたものなので【京の伝統野菜】の定義の第1項に該当しないので、 「伝統野菜に準じる野菜」と別枠にされているのである。


(表1)
【京の伝統野菜の一覧】(現存するもの)
だいこん 辛味だいこん、青味だいこん、時無だいこん、桃山だいこん、茎だいこん、佐波賀だいこん、聖護院だいこん   かぶ 松ヶ崎浮菜かぶ、佐波賀かぶ、鶯菜、大内かぶ、すぐき菜、舞鶴かぶ、聖護院かぶ
つけ菜 みず菜、壬生菜、畑菜   なす もぎなす、加茂なす、山科なす
かぼちゃ 鹿ヶ谷かぼちゃ   とうがらし 伏見とうがらし、田中とうがらし
うり 桂うり   さといも えびいも
ごぼう 堀川ごぼう   ささげ 柊野ささげ
うど 京うど   みょうが 京みょうが
ねぎ 九条ねぎ   せり 京ぜり
くわい くわい   たけのこ 京たけのこ
じゅんさい じゅんさい      

(現存しないもの)
だいこん 郡だいこん   かぶ 東寺かぶ
きゅうり 聖護院きゅうり      

【京の伝統野に準じるもの】
とうがらし 万願寺とうがらし、
鷹ヶ峰とうがらし
  つけ菜 花菜
         

 京の伝統野菜が他の土地の野菜に比べ、味わい深いのは、様々な理由があるのだという。
 京都は政治的に日本の中心であった時代が長く、地理的にも日本の中心にある。国中から様々な野菜が集まってきたのだという。もともとは、「聖護院だいこん」は尾張の国から来たものだというし、千枚漬けで有名な「聖護院かぶら」は近江の国が原産。
「たけのこ」の孟宗竹は中国から、かぼちゃはカンボジアから集まってきたものなのだ。そういったものが、京都の風土で段々と独自の発展を遂げてきた。
 京都の水がまず第一。比叡山の水、加茂川の水と、京都の水はうまいという。
 第二に土、関東ローム層のような火山灰土ではなく、腐植質の含まれた豊かな土なのである。
 そして第三に穏やかな風。生産物が倒れるような強い季節風は吹かない。
 第四に気候、底冷えするような寒さの冬と、盆地特有の暑い夏という対称が作物の味をよくするのである。こうした過程を経て、「京野菜」は独自の進化を遂げてきた。
 神社仏閣が多い京都では、精進料理が好まれる。精進料理では野菜のうまさが必要になるため、野菜の品質はもちろん、野菜の料理の方法にも様々な工夫が凝らされた。
 京都では「すぐき」のように何百年も変わらぬ土地で作り続けてられいるものもあり、市民も古い者を守ろうという気質が強いのだ。
 こうした土地で発達、進化していったものが「京都の伝統野菜」とされたのである。




 
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