・元祖、均一価格業態「鳥貴族」の満足度
元祖均一価格といえば「鳥貴族」で創業当初から280円(税抜)の焼き鳥をメインに大阪で発祥し東京に進出してからもコンセプトをずらしていない。同社の280円という価格設定と成功がベースにあって他社が「270円均一」を打ち出しているという訳だ。
黄色と朱色の外看板から受けるイメージとは一転し、店内は古民家風の木の柱などを店内中央に上手に配し雰囲気がいい。テーブル席を区切るパテーションは動かし易く2名席を6席や8名席への変更するオペレーションが簡単に対応できる。お通し代もなく、「キャベツ盛(おかわり自由)」が280円(税抜)でメニューにある。
全体の商品力も群を抜いておりこの価格でこのメニュー内容で座れて飲めるとなると立ち飲み業態も危うい。
キャベツ盛(おかわり自由)280円(税抜)
もも貴族(タレ)とピーマン肉詰め(3個) 各280円(税抜)。
看板メニューのひとつ「とり釜飯」は卓上で炊くのでスタッフの事前仕込みはとても楽。注文から炊き上がりまで30分待つ釜飯も卓上で炊かれている分には楽しみな時間。これだけの道具でおこげまできちんといただけてもちろん280円(税抜)。又唯一ともいえる鶏と関係のない〆メニューの「フォー」も新味性があって目を引く。
卓上で炊き上がるとり釜飯 280円(税抜)。
均一価格業態は、その価格が入店動機喚起の中心にある。価格設定だけが来店動機となっているとも言える。価格均一がある程度定着し当たり前になれば次のハードル、次の差別化が当然求められてくる。
店舗の売上げは「客数×客単価」であることは言うまでもなく色々飲んで食べて結局最後には幾ら払うのか。その価格に見合った満足度があるのか、又は期待以上の満足度があるのか。売価設定の価格競争の次にくるのは原価コントロールであり人件費コントロールだ。常に問われるレストラン運営の基軸である。