フードリンクレポート


他社物件への初出店。そして、転換期。
池田 寛氏 株式会社フレンド商会 常務取締役 (4−4)

2010.2.5
接客日本一を決める「第5回S1サーバーグランプリ」、フレンド商会はその中国地区優勝者を育てた。同社は広島市で創業50年を超え、パチンコ事業と外食事業そして不動産賃貸部門の3本柱として盛業中。今、3代目が担当する外食事業が注目されている。4回シリーズの第4回目。


低価格のやきとん・もつ煮込み「一利喜」。2009年3月オープン。

他社物件への初出店

 ここまで池田氏が出店してきたのは、自社物件ばかり。彼自身としては、2007年11月に初めて他社物件へ出店した。「とり楽」宇品店。

 取引業者からの紹介で回転寿司の跡地に出店を提案された。当時はまだ、空き自社物件があり、そちらの方が賃貸物件よりリスクが少ないという点と、これ以上店を増やすと自分1人では運営できないという2点で懸念した。前者の点は、社長に相談したところ、「好物件は賃貸でもタイミングを見て押さえるべき。発展の為にはリスクを恐れてはダメ。今求められるのは出店したいという気持ちがあるかないかにかかっている」と。幹部に聞いてみると、出店したいという気持ちが強いことを知った。そこで、出店を決意し、店長・料理長に自分が5年前に新卒採用した2人をぶつけた。

「20〜30代の社員に聞くと、1店だけの店長で終わりたくない。40〜50代は、やりたいという若いのがいれば出来る限りバックアップしたいと言う。本当か、休む暇はないぞと話しても、やりたいと言ってくれた。会社をもっと、もっと大きくしないと、という気持ちが膨らんできました」と言う。経営者として一皮剥けた時期だ。


今が転換期

 2009年3月には、低価格のやきとん・もつ煮込み「一利喜」を自社ビル1階にオープン。建替え予定があり、投資コストの少ない業態を開発した。不況の時代にマッチし、大繁盛している。


「一利喜」名物もつ煮込み。生ビール中ジョッキ299円。


「一利喜」 店内。

「リーマンショックの影響で、去年3〜4月から風向きが変わりました。前年をクリアできる月と出来ない月も出てきました。今、反省も踏まえてもう一度、外食事業を練り直しています。」

「自社物件での開発もひと段落し、足固めが出来、本格的な展開の準備も整ってきました。今後も店舗数を増やしていきたい。繁華街は、業態開発力を武器に多業態を増やしていくのが良いと考えます。街中の店は飽きられるのが早いが、業態開発が楽しいのでやりがいがある。広島市内の繁華街なら20〜30件くらいは展開できるでしょう。郊外は1業態で地域に密着した店で店舗数を増やすのがいいのではと考えています。また、ノウハウそのものを販売するFC化も考えていきたいです。」

 広島をベースに業態開発力を武器に、敢えて東京・大阪に進出してくるのか、中国地区でドミナントを張るのか、将来が楽しみな外食企業だ。


■池田 寛(いけだ ひろし)
株式会社フレンド商会 常務取締役。1972年生まれ。広島県広島市出身。明治大学を卒業後、広島銀行に入行。30歳で退職し、2002年6月、家業であるフレンド商会に入社。



【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年1月14日取材