フードリンクレポート


東京への足がかりとして仙台出店。
〜かっこつけるな! お客様に喜ばれる地域一番店を目指せ〜(7−5)
大山 敏行氏
株式会社イーストン 専務取締役

2010.3.12
米国大好きの大山兄弟は、1986年5月に札幌ススキノに「アルズ・バー」をオープン。前衛的クラブとして一躍注目を浴びた。しかしもっとたくさんのお客様に喜んでもらいたいと業態を転換。現在、イーストンは「イタリア居酒屋 クッチーナ」「焼鳥ダイニング いただきコッコちゃん」など大衆向け31店舗を札幌、仙台、首都圏で展開している。弟で専務の大山敏行氏にインタビューした。7回シリーズの5回目。


スタイリッシュなイタリアン「ミア・アンジェラ」で仙台に乗り込む。

東京への足がかりとして仙台出店

「いつかは東京へ出たいと思っていました。札幌の次に出店したのは仙台。東京行きたかったけど、何だかビビってました。コンサルの社長から、君たちは昔は東京にいたかもしれないけど、札幌の垢にまみれて田舎者になってるよ、札幌から来たイタリアンじゃカッコ良くない、見向きもされないと指摘されました。確かにと納得していました。」

「仙台は家賃や給与水準が札幌とほぼ同じなんです。たまたま仙台のことをよく知っている方が入社してくれ、東京の前に仙台はどうと勧めてくれました。仙台のアーケード街の裏のビルで家賃が格安の150坪の物件を見つけた。30坪をオフィスにして、120坪の店を作りました。」

2003年4月、仙台市青葉区に「リストランテ&バール イタリアーナ ミア・アンジェラ 一番町」をオープン。「クッチーナ」のアッパー版。ニューヨークやミラノにありそうなスタイリッシュなイタリアン。

「抜擢した店長は、力が発揮できず1億円くらい会社に損害を与えてへこんでいた男。仙台から東京に繋げるための片道切符で行ってもらいました。単身赴任です。後で聞くと、フェリーの中で絶対に成功させるぞ、仙台で失敗したら死のうと思っていたくらい気合が入っていたそうです。」

「社長が30万円渡して、洋食系の店を全部回ってこいと指示を出しました。勉強させて下さいと言って、まず食べて美味しいですね、勉強になりましたといって帰ってこいと。 そうしたら、オープンの時に回った店の人たちが来てくれた。仙台はサービス力が弱い。コンセプトが弱い店が多かった。絶対にやったら勝てると思っていました。」


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年2月3日取材