フードリンクレポート


ただの飲み会じゃ嫌!女子会に選ばれる店の条件。
〜女子会全盛期!働く30代女子の財布を開かせる方法〜(5−2)

2010.3.16
最近よく耳にする“女子会”という言葉。女性同士の飲み会のことを指し、いまや日常的に行われている。働く女性、特に30代女性の勢いはこの不況下でも衰えを知らず、彼女たちの交流の場である“女子会”もますます増えている。「週1回、予算は5000円」という“女子”も少なくない。そんな女子たちに選ばれる店とは?そして、思わず財布を開いてしまう理由を、働く30代女子たちへのインタビューをもとに探ると共に、今人気の女子会向けプランに注目した。5回シリーズの2回目。


「女子会のお店選びが一番気合いが入る。」と言うA子さん。

ただの飲み会じゃ嫌!女子会に選ばれる店の条件

 女子会はどんな店で開かれているのであろうか?

 回数が増えたと言っても、女子会の店選びはシビアで妥協が無い。自分で全額払う前提なので、シビアに費用対効果を判断する。女子同士ならではの、意地も見え隠れする。店を選ぶ側は、女友達から「いい店だね!」と言われたい気持ちがあるからだ。

 英会話教師をしているA子さん(33歳)は、違う業界で働く友人たちと定期的に女子会を開催している。2〜3ヶ月に1度、6名程度が集まる。グルメなメンバーも多いので、店選びは重要。候補店をリスト化して共有し、多数決を取って決めているという。


実際にA子さんたちが使っている候補店リスト。予算、アクセスはもちろんのこと、個室の有無、味や雰囲気に対する評価コメント入りの候補店リスト。幅広いジャンルの店が20店以上挙げられている。<拡大版はコチラ

 女子会が開かれる店の特徴としては、
1)テーマ性がある
2)安さだけではない、高いコストパフォーマンスがある
3)ドリンクメニューが豊富
4)寛ぎ感

1)テーマ性というのは、料理のジャンルが明確(エスニック、豆腐料理、お好み焼き、焼き肉等)、立地や内装に特徴がある(ホテルのシャンパンバー、個室のお座敷等)という点。女子会は、ただの飲み会にはしたくないとの意見が多く、テーマが分かり易いと期待感も高まる。「汚いお店だけど、焼鳥を食べるならとにかくココ!」、「ワインを飲みたい時は、ハウスワインが1500円で飲み放題のあのお店」、「ビールを本気で楽しみたい時は、世界中のビールが集まるあそこだよね」など、女子それぞれに、個性のはっきりしたレパートリーがあるようだ。

2)価格は安ければいいというわけでもない。料理が美味しいのは大前提だが、その質が高く、サービスの質も高い店にはお金を払う。1回の予算が5000円くらいという女子の意見の中には、銀座のダイニングレストラン:「プリフィクスコースで1品ずつ出て来るので、お食事会っぽい雰囲気が出て良い。」(31歳/人材派遣会社)、下北沢の野菜料理レストラン:「オーガニック野菜を使用していて、味付けにセンスを感じる。」(31歳/化粧品会社)、浜松町の居酒屋:「量が少なくても、美味しいければOK。種類が多ければそれをつまみに、いろいろ飲める。」(34歳/IT企業)、新橋の焼肉店:「人数、食べたいものによってメニューを提案してくれる。」(33歳/商社)という声も。

3)多くの人が、ドリンクのバラエティの豊富さを評価のポイントに挙げた点にも注目だ。特に、女子の大半が好きなシャンパンやスパークリングワインといった泡系のドリンクが手頃な価格で用意されていること、カクテルの種類が多い店はポイントが高い。

 また、飲み放題ニーズは、予想以上に高かった。女子同士で飲み放題?と思うが、女子同士だからこそ、気兼ね無く思う存分飲めるということのようだ。飲み放題が付くと当然単価は高くなるが、美味しいご飯と飲み放題で5000円前後は十分に納得のラインとのこと。

 飲み放題でも、銀座のダイニングレストラン:「飲み放題のお酒の種類が多く、白ワインだけでも何種類かあるので嬉しい。」(35歳/保険会社)という意見のように、飲み放題の中でも種類の豊富さが人気の理由になるようだ。

4)「女子同士で飲む時は、ゆったりできるところがいい。座敷が好き。」というように、座敷好きな女子は意外と多い。“2時間まで”など、時間制限する店を敬遠する声が多く、おしゃべり好きな女子ゆえに、賑やかな店よりは落ち着いた雰囲気でゆっくり寛ぎたいのである。店側としては、無駄に長居をされても困りものだが、話が盛り上がればお酒も進み、スイーツ好きな女子としてはデザートまで楽しみたいので、やり方次第ではないだろうか。

 では、女子たちは実際にどんな店をどんな風に選んでいるのだろうか?次は、“女子会プラン”をキーワードにスポットを当ててみる。


【取材・執筆】 村田麻未(むらたあさみ) 2010年3月12日執筆