・ビアード・パパのセルフ讃岐うどん「温や」
シュークリーム専門店「ビアード・パパ」をFC展開する株式会社麦の穂(本社・大阪市北区)は、2002年9月に米国にMUGINOHO
USAを設立、そして04年3月、「ビアード・パパ」のニューヨークに直営1号店を出店した。同社は01年の香港を皮切りに、タヒチ、オーストラリア、英国、シンガポール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、台湾、タイ、中国・香港、韓国、ロシア、カナダ、米国で「ビアード・パパ」直営・FC合わせて約180店を展開している。
その中で、唯一異なる店舗が、ニューヨークのマンハッタン中心部にあるセルフ式讃岐うどん「温や」。日本でもイオンモールを中心に7店を出店している。オープンは、09年9月。支配人の稲垣稔氏に聞いた。
「温や」外観。
「麦の穂はFCで伸びてきましたが、FC大国の米国で勝負してみたいと考えました。世界の展開を考えると、米国でのFCを経験しないと世界に出ていけない。グローバルスタンダードを作るためです。米国では、直営は04年ですが、FCは05年から展開を始めました。今は約30店あります。西海岸に米国人の社長がいます。中国でも中国人が社長。その国でビジネスをやる以上、ローカルの人をトップに据えています。私は米国でFCの開発営業をしてきました。」
「米国は05年から日本食ブーム。今は寿司、天ぷらなどを総花的に出す日本食レストランは飽きられています。アメリカ人はより専門的な日本料理を求めています。」
「今はラーメンブーム。全土でラーメンブームですね。麺ということで、調べてみると、冷凍うどんの米国への輸入量がここ10年で7倍に伸びていたんです。日本食レストランのメニューの1品として提供されていました。また、アジアの方が家で食べていました。にもかかわらず、うどん専門店が存在しない。それで、うどんに目を付けました。」
「3年前から物件を探しました。リーマンショックで不動産の相場が落ちて、我々にもチャンスがやってきた。居抜きを見つけて、09年9月にオープンさせました。」
「ところが、ウエストさんに先を越されました。彼らは目を付けるのが早い。ウエストさんは冷凍うどんを使っていたので、うちは店で作ることにしました。日本から粉と塩を持ってきて店の地下で機械製造しています。1階の店舗ではお客さんの目の前で、機械でうどんをカットし、切り立てを釜ゆでにしています。」
お客の目の前でうどんをカットする。
お客の目の前でうどんを釜ゆで。
株式会社ウエストは、1966年に福岡県福岡市で創業した老舗企業。焼肉、うどん、中華、和食、ラーメンなど様々な業態を福岡市で44店展開。米国でニューヨークを中心に約30店を展開し、内うどん店は3店。
「うどん WEST」は冷凍うどんを使う。
「つゆの無いぶっかけうどんはニューヨークでは初めてでしょう。人気は天ぷらと、ベジタブル系の山菜や海藻うどん。そしてカレーうどん。」
「セルフにしました。ビジネス立地で土日が弱いが、昼時がピークになります。周辺には日本食レストランが多いですが、平均セットが12〜15ドル。チップと税金を払うと、15〜20ドルになってしまいます。このエリアで10ドルを切りたかった。セルフにして、ノーサービス、ノーチップ。今の客単価は9ドルです。」
かやくご飯と讃岐うどんのセットで6.45ドル。日替わりの丼セットは9.19ドル。
日本と同様のセルフ式。うどんを選んで、トッピングの天ぷらを選んで会計。