・現場の社員は、社長の前では良い子だが店の中では仲間割れ
当時、1号店の「五湯道(おたんどん)」は20坪で月商1200万円という素晴らしい実績を上げ、商業施設にも出店。しかし、最初は成功したが、長くは続かなかったようだ。そこに、再建人として黒須氏が乗り込んだ。
「売上はあるけど、人件費が高かったり、仕入れなどの支出が毎月デコボコしていました。会社として問題がある。会社の思いが現場に届いてないようでした。総監督(社長)はいるが、毎日指導してくれるコーチがいない。総監督の前では可愛がられようとするが、店の中は仲間割れ状態でした。」
「五湯道 」PCP丸の内店。
黒須氏は監督代行として、立て直しのために自分が考えた通りに自由に動いた。「やりたい人がいたら、何でもやらせたい。自己実現して欲しい」というのが社長の方針。
「接客や料理が好きでこの店に入ったのに、元気が無い子ばかり。まずは、元気を出させてあげようとしました。ひねくれていて、出来るふりはする。冷めている。でも、自分達は冷めていると気付いてない。自分達が熱いと思い込もうとしている。1年目は、そうじゃないことに気付かせようと思いました。」
「店長はスタッフの時給を上げる権利を持っているが、規定がないのでどこまで上げていいのか分からない。逆に基準が無いから何もできない。悪い子は与えられた自由を悪い方に活かして、悪い子と良い子の2種に分かれていました。社長は悪い子の方を整理してくれたが、僕が入った時には良い子なんだけど元気が無い子が残っていました。」