フードリンクレポート


1979年創業「レインボーハット」を再生。
〜ユニマットから独立し、30年チェーンを再生する。レストラン事業もスタート〜(3−2)
金井 伸作氏 RH GROUP 代表

2010.4.8
外食業界の理論派として活躍してきた金井氏が、ユニマットグループの外食事業再編と共に同社を離れ創業する。新会社のベースは、元カネボウのアイスクリームチェーン「レインボーハット」の再生。そして、資生堂「ロオジェ」出身の金井氏にとって生業であるレストラン事業も展開する。3回シリーズの第2回目。


「レインボーハット」店舗。

1979年創業「レインボーハット」を再生

 アイスクリームチェーン「レインボーハット」は1979年の創業。カネボウが立ち上げ、一時は250店もあった。同社の経営破綻と共に営業を引き継いだクラシエの傘下に移り、レインボーハットは経営陣によるMBOで独立。さらにそれを2009年2月に金井氏が筆頭株主である株式会社RHコーポレーションが買収した。

「レインボーハットは、08年10月にユニマットへ身売りの話が来ました。ユニマットとしてはお客の年齢層が低いので興味がありませんでしたが、30年もの歴史は買えないし、事業再生の余地があると思っていました」と金井氏。一年経った今は年商13億程度で4千万程度の営業利益で決算を閉じた。

 今年1月に新会社、RHコーポレーションを設立し、投資家から融資を受けて採算の合う58店舗を買収した。代表取締役は、元オージーエムコンサルティングの後藤雅彦氏。金井氏は筆頭株主だが、エグゼクティブアドバイザーとして幹部に名を連ねる。そして、6月より金井氏は代表取締役就任する予定。

 アイスクリームチェーンと言えば「サーティーワン」がダントツの1位で、直営・FC合わせて800店を展開。「ディパーダン」「レディーボーデン」と続いて「レインボーハット」は4位。単価は「サーティーワン」より約2割安い。

 現在は直営のみだが、FCに切り替えようとしている。7坪のモデル店で物件取得費を除いて初期費用は600〜1000万円。客単価360円で売上高250〜400万円。営業利益で15%残り、回収は約2年。

「パートナー達が商業施設のリーシングのプロなので良い物件が取得できます。また、アイスクリームは実は賞味期限が無く廃棄が無い。製造工場を見直し原価率を5%落として33%に改善させました。」

「サーティーワンは圧倒的ですが、商業施設にアイスクリームは必需品。衝動買いするものなので、客単価や客層、ニーズの違う所を狙っていきたい。」

 新商品として、宇治の抹茶や八ッ橋などの老舗店とコラボしたアイスクリームの販売も計画している。

「レインボーハット」会社概要


【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき)  2010年3月19日取材