フードリンクレポート


おやつも肉、 BRAAI(ブライ)ではブルボース!
〜次に流行るのは南アフリカ料理。「ブルボース」に「ボボティー」食べて観戦!サムライになろう!〜(4−4)

2010.4.9
2010年サッカーW杯開催まで約2ヶ月をきった。前回大会の選考落選から10年越しの悲願の南アフリカ大会がいよいよ本番。現地に関するメディアの露出も増え、情報に触れる機会が多くなってきた。よりその土地の風土を体感できるものが「食」だろう。先月行われた幕張メッセでの国際食品・料飲展「フーデックス」でも南アフリカのブースが入口すぐのところに構えられていた。日本に居ながらにして味わうことのできる南アフリカ料理は?W杯開催に向けてブレイクできる逸品はあるのか南アフリカの「食」について探る。4回シリーズの第4回目。


フーデックス2010 南アフリカブース。

おやつも肉、 BRAAI(ブライ)ではブルボース!

 肉をよく食べるという南アフリカの人たち。「ビルトン(Biltong)」とよばれる干し肉は、塩漬けにした南アフリカのビーフジャーキー。日本の「おせんべい」のようなポジションで現地ではコンビニやスーパーどこでも販売しており、おやつ代わりに大人も子供も食べる。

 ジャーキーだからといって決して日本のように酒のつまみではない。「ゴールデンライオン(六本木)」ではこれを店内で生の肉から自家製で作っている。固めの食感、強めの塩味、カムほどに味わいが増して癖になる美味しさは本場の味そのまま。南アフリカの家庭では窓際に肉のブロックをそのまま吊るし乾燥させて頃合をみていただくという。日本の「鮭とば」のよう。


南アフリカの家庭でビルトン(Biltong)を作る様子。

「ブルボース」(ボーアウォースとも言う)は農家で作られていた太いソーセージのこと。直訳は「農家のソーセージ」の意味。ぐるぐる巻きで長くつくり、肉は比較的あらくひいているのが特徴。


ブルボースの原型。「ゴールデンライオン」のもので同店では焼いてカット後、提供される。

 コリアンダーを効かせたスパイシーな風味がたつ味わいでフライパンや炭火で焼くとジューシーだ。南アフリカのひとたちは週末になると「BRAAI(ブライ)」というバーベキューをするのが大好き。「BRAAI(ブライ)」では「ササティ」とよばれる肉の串焼きや、この「ブルボース(boerewors)」など肉類が豪快に焼かれる。

 一般的に調理には「ひき肉」を使用することが多いという。現地のレストランではあまりないが、ひき肉とジャガイモを一緒に煮込んでそれをパンにはさんで食べるというスタイルも家庭料理としては非常にポピュラー。日本でいうスタンダードなポテトコロッケの具をパンにはさんだようなもので、イメージもわきやすい。

 南アフリカ料理が楽しめるレストランは都内に数件。ニッチなマーケットなので、日ごろもアフリカ好きの人や一度でも行ったことのある人たちでにぎわう。アフリカ大会が始まるとそれらの場所にもより人も集まるだろう。焼たてのボボティやブルボースを食べながら大画面で観戦すれば、スタジアムで「ブルボースドック」をほおばる現地の風景が映るかもしれない。家で楽しもうという人は日清フード・デリカテッセンへ走り、「クスクス」をいつものカレーに添えるだけでも新鮮味があるだろう。南アフリカ料理を食べてサッカー観戦!青いサムライになろう。


現在入手できるアフリカ食材(一部)

<アフリカ料理が楽しめる店>
→「南アフリカBAR ゴールデンライオン」(港区・六本木)
→「アフリカ料理 神楽坂トライブス」(新宿区・神楽坂)
→「アフリカンレストラン ガラバッシュ」(港区・浜松町)


【取材・執筆】  国井 直子(くにい なおこ) 2010年4月3日執筆