フードリンクレポート


ハワイ出店の夢を持ち続ける。
〜ナイトから一般人へ、「やぶや」から「フライの一八」で客層拡大〜(4−2)
横瀬 武夫氏  株式会社やぶやグループ 代表取締役

2010.4.13
名古屋料理居酒屋「やぶや」を名古屋で13店、東京で6店、仙台で1店展開するやぶやグループ。ナイト業界や芸能人に愛され、深夜に着実に収益を上げている。今年3/11オープンの新業態「フライの一八(イッパチ)」が好調で客層を一気に広げてきた。4回シリーズの第2回目。


「元祖やぶや」。

ハワイ出店の夢を持ち続ける

 横瀬氏は創業時からハワイへの出店の夢を唱え続けている。社員にも英会話を学ばせ続けている。

「ゼットンの稲本さんとは1号店からの友人です。彼が店を立ち上げた時に、よく『やぶや』に来てくれました。夢は何?と聞くと、稲本さんは当時からハワイや海外に行きたいと話していました。僕もハワイに出したいと。1号店からハワイ出店の軍資金を貯めるために働いていました。」

 何度もハワイに赴き調べているうちに、難しさが分かり、今は棚上げして次のチャンスを狙っている状態だ。

「ハワイにもし出るなら、今は安い。でも行ってからの方が大変でしょう。様々な事情で開店が延びるケースが多いようです。1〜2年間も開けられない例もあります。その間、空家賃も発生し、引くに引けなくなる。そんなことが容易に起きているようです。」

「物件を取得していくら金を掛けて内装しても、大家の方が強くて出ていけと言われれば、全部壊さないと出ていけない。大家ときっちり繋がってないと大変なことになる。長い商売ができる大家にめぐり合い、受け入れられる商売を見つけないと難しい。」

「ハワイで名古屋料理とは思っていません。日本で言うベタな居酒屋を作ってみたい。名古屋を露出しなくても、在ハワイの日本人が20〜25ドルに気軽に食べて飲める、レストランよりも“ザ居酒屋”を作りたい。でも、彼らが行きたいのかも考えないと。僕のやりたいこととのギャップがあるかも知れません。しばらくは国内に集中します。」


【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき) 2010年3月19日取材