・「フライの一八」で2業態目を掘り当てた
年に約1店ずつ出店しているが、昨年は東京に2店、六本木と歌舞伎町に出店した。しかし、売上は増えたが、利益にはまだ繋がっていない。そして、今年3/11に、不況に向き合う業態として「フライ酒場 フライの一八(いっぱち)」を創業の地、名古屋・今池に万を持してオープンさせた。21店目。
「フライ酒場 フライの一八(いっぱち)」 店内。
ちゃぶ台のような丸テーブルが面白い。
「名古屋では今まで立飲みは何度も挑戦されましたが全部ダメ。ところが最近は名古屋駅周辺で繁盛しています。それで串カツの立飲みを始めました。やぶやは客単価2900円ですが、フライの一八は2000〜2300円。」
「フライ酒場の構想は10年。僕が大好きなフライ屋さんがあり、それを酒場のテイストに変えてやってみたいとずっと思っていました。フライということばが懐かしい。ソースで食べるばかりじゃく、塩やレモンでも美味い。他のおつまみを頼んでフライを食べれば体に良い。今までは、客単価の低い商売は興味がなかった。薄利多売はリスクが大きいと思っていました。でも、この不況で、出すなら今しかないと出店しました。」
店内は立飲みだけでなく、テーブル席も用意。メインの串カツは80円、100円、150円の3種。鰯フライやとんかつも提供している。
「オープンしたばかりですが、感触がいい。オジサンやオバサンが1人で、若い女性が2人で、カップルで、地元の私服の男性グループで、学生もと客層がめちゃくちゃ広い。僕はナイトを集めるのは得意ですが、サラリーマンを集めるのは苦手でしたが、想定通りに来てくれました(笑)。」
「均一価格じゃなくて、普通に2500円以内で飲み食いできる安い居酒屋がフライの一八。滞在時間が短いので大きな店じゃなくてもいいのに気付きました。普通の居酒屋は2.5時間ですが、フライの一八は1.5時間。だったら、40席でいい。東京でも出来ると思います。」
「無借金経営なので、店が増えるほど金は貯まります。でも、出しても中がよくなければ 少しずつしか貯まらない。もっとしっかり稼げる店を作りたい」と言う。「やぶや」に加えて新業態「フライの一八」を持った横瀬氏。利益の範囲内で、着々と店数を増やす経営手法が基本だが、なぜか新鮮に感じる。
■横瀬 武夫(よこせ たけお)
株式会社やぶやグループ 代表取締役。1965年生まれ。愛知県出身。1994年、「やぶや」1号店を名古屋・今池に開店。2003年、東京1号店を並木橋に出店。10年3月、21店目で新業態「フライの一八」を創業の地、名古屋・今池にオープンさせた。
→株式会社やぶやグループ