フードリンクレポート


朝食文化を再生するキーワードは「卵」。
〜ブレックファーストでブレイクスル-?“ソトアサ”のススメ〜(5−5)

2010.4.16
春の訪れとともに“朝活”が活発化している。“朝活”とは朝の時間を有効活用する取り組みのこと。リーマンショック以降、景気低迷の煽りを受け、節約志向を強める消費者を取り込もうとする値下げ競争は激化する一方だ。その中で、飲食店側が見直しつつあるのが“朝食”。「外より内」という内食志向の巣ごもり消費者に“有意義かつリーズナブルな朝時間”を提案し、利用を促進している。“朝食”という起爆剤で、閉塞市場に風穴を開けられるのか?5回シリーズの第5回目。


「たまごん家 日比谷店」の基本の「たまかけセット」(300円)。

朝食文化を再生するキーワードは「卵」

 2009年10月10日オープン以降、メディアで取り上げられ続けている有名店「たまごん家 日比谷店」。「欧米流の食文化を見直して、日本独特の食文化を再生したい」とオーナー朝山良夫氏が立ち上げた。「朝ごはんはスピード第一ですから簡単で栄養バランスを考えた時にピンと浮かんだのが、子供の頃に毎日食べていた“卵かけごはん”でした」。


店内には理念が掲示。

 前職ではスーパーマーケットの経営管理に携わっていた朝山さんは、食材管理の重要性を痛感していたという。特に生卵を扱うということもあり、安全性を第一に国際基準を満たした富山の養鶏場の卵を採用。さらに長野県木島平産のコシヒカリの中でも2ミリ以上の大粒のみ選別した「一番開花」という米を使う。海苔やトッピングなどにも思い入れを込め、独自の卵かけごはん専門店を打ち出す。


こだわりの卵。


女性客の姿も。

「日比谷という場所柄、会社員の方が多いですね。平日は毎朝40人〜50人、お昼は100〜130人のお客様がいらっしゃいます。平均客単価は350円ですが、回転数を早くしています。お惣菜のイートイン感覚ですね。朝と昼は卵かけごはんをメインで、夕方以降は居酒屋という業態です。夜はおかずに一品料理を提供していますので、締めで卵かけごはんを召し上がる方が多いです。これから仕組みをきっちり整えた上で、フランチャイズ展開出来ればと考えています」(株式会社フードネクサス 朝山良夫代表取締役)。


「たまごん家」を立ち上げた朝山良夫氏。

 消費者、飲食店双方が知恵を絞ることで、限られた“朝時間”を有効活用することが出来る。飲食店本来の役割である食事メインではなく、ミーティング場としての消費者ニーズを取り込み、関係性を築き上げれば、他店との差別化も可能だ。

 硬い殻を打ち破り既存の枠組み外すことで、新たなビジネスチャンスが生まれるのかもしれない。


【取材・執筆】  水口 海(みずぐち うみ) 2010年4月7日執筆