フードリンクレポート


チェーンこそ、美味いものが安く出せる。
〜<第4回セミナー祭レポート>「鳥貴族」「けん」が語る、チェーンオペレーションの魅力〜(7−2)

2010.4.22
第4回フードリンクセミナー祭(3/11開催)にて「外食ネクストリーダー2010」として3名を紹介。肉食系硬派チェーン「すた丼」の親分 早川 秀人氏(アントワークス株式会社 代表取締役)、広島発カフェ文化のリーダー 内田優二氏(株式会社コンプリート・サークル 代表取締役)、経営危機からの脱出を勇気をもって開示した女性経営者 近藤 一美氏(株式会社エイト 代表取締役)。3名のプレゼンテーション後に、「鳥貴族」大倉忠司氏と、「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」井戸実氏の先輩リーダー2名がディスカッション。チェーンオペレーションの魅力を笑いを交えて語ってくれた。7回シリーズの第2回目。


大倉忠司氏、株式会社鳥貴族 代表取締役。

チェーンこそ、美味いものが安く出せる

●井戸
僕の持論はチェーンこそ、美味いものが安く出せる。最初に6店でやっていた時と今とじゃ仕入れの値段とか質が変わってきました。それを最短最速で味わうためにFCを導入。いい店は作るんじゃなくて行けばいいというのも持論。ビジネスにしない。いい店はもうからないんですよね(笑)。割りきってビジネスしています。でもたまには「オレこんなみせやってるんだぜ」と言いたいので作ったのが、渋谷のピザとワインの店「CONA」「KUNI」。商売じゃなくて趣味の店。楽しいですね。

●安田
個店とチェーンはお客側から見ると美味しい店は個店と思っている日本人は多いのでは。チェーンは安さを求められています。

●大倉
チェーンのメリットは同じ屋号の安心感。屋号を見るだけで店のイメージができる、料理のイメージが出来る。チェーン店をマイナスに考えられるのは、効率を追求したがゆえに、セントラルキッチンを設け、冷凍食品のメニューを揃えた段階で、チェーン店=不味いとか冷凍。その辺を払しょくできればチェーン店は強いと思っています。単一ですと購買力が付くので、仕入れが下がってきますから、本当にいいものを安く提供しやすい。

●安田
「鳥貴族」のFLは?

●大倉
62〜3%。フードが35%くらい。

●井戸
同感です。1029円でハンバーグを出してサラダバーが食べ放題、ご飯、カレー、スープ、フルーツが付いていて、+100円でドリンクバー、+200円でベルギー産のアイスクリームが食べ放題という業態なんですね。これをやろうと思った時に個人店ではできないです。できないことはないが儲からない。原価率が50%は優に越えてくる。僕らが次のステージで目指しているのが、今+100円のドリンクバーも含めちゃえ。その次はアイスクリームも含めちゃえ。これを1029円で売ったら誰も勝てないと思います。それをやっちゃおうというのがチェーンのスケールメリット。

●安田
「けん」のFLは?

●井戸
原価が38%、人件費が23〜4%。FLで61〜2%。

●安田
普通からは高めですが、それを回転率でカバーする訳ですよね。


【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき) 2010年3月31日取材