フードリンクレポート


加盟金、「鳥貴族」50万円、「けん」400万円。
〜<第4回セミナー祭レポート>「鳥貴族」「けん」が語る、チェーンオペレーションの魅力〜(7−4)

2010.4.26
第4回フードリンクセミナー祭(3/11開催)にて「外食ネクストリーダー2010」として3名を紹介。肉食系硬派チェーン「すた丼」の親分 早川 秀人氏(アントワークス株式会社 代表取締役)、広島発カフェ文化のリーダー 内田優二氏(株式会社コンプリート・サークル 代表取締役)、経営危機からの脱出を勇気をもって開示した女性経営者 近藤 一美氏(株式会社エイト 代表取締役)。3名のプレゼンテーション後に、「鳥貴族」大倉忠司氏と、「ステーキハンバーグ&サラダバー けん」井戸実氏の先輩リーダー2名がディスカッション。チェーンオペレーションの魅力を笑いを交えて語ってくれた。7回シリーズの第4回目。


肉食系硬派チェーン「すた丼」の親分 早川 秀人氏(アントワークス株式会社 代表取締役)。

加盟金、「鳥貴族」50万円、「けん」400万円

●安田
FCの条件、モデル店の収支を教えて下さい。

●大倉
加盟店の新規募集はしてません。加盟金50万円、ロイヤリティは定額で5万円。多店舗展開をしていただきたいのが前提なんで、同業他社さんを見ていると、あの条件を支払って多店舗展開できるのかな?というのが素朴な疑問。FCビジネスも薄利多売。加盟社さんが成功して多店舗展開いただくモデルとして考えています。30〜40坪で月商7〜8百万円。営業利益15%くらい。だから皆さんどんどん出店される。既存のオーナーさんも一旦他に加盟されても撤退されたり、ウチに戻られたりします。新たなオーナーさんは募集してない。直営をどんどん出していきたい。新規のオーナーさんがビジネスライクで来られると、鳥貴族の理念を理解してもらうまでに結構労力がかかる。年数もかかる。なら、新規をお断りして、既存の加盟店さんにどんどん出店していただこう。

●安田
直営店の割合は?

●大倉
今はもう半分ですね。直営の比率がこれから高くなります。

●井戸
加盟金400万円。50万円という話を聞いたので高いとなっちゃう。1件あたりの投資金額が、加盟金から物件取得費、開業費全部入れて、2200万円くらいでできちゃう。これは安い。

●大倉
「鳥貴族」は3千万円くらい。

●井戸
開けると初月は1千万円以上軽く売ります。いい店は1千4〜5百万。直営では1店あたり1500万円は売るので基本6ヶ月で回収できる。毎月250万円利益がでると、6ヶ月で回収ですね。FCさんは加盟金があるので一応1年半というモデル。今「けん」FCオーナー会は非常に楽しいんです。みんな儲かってるから。集まってもみんな和気あいあいと話してくれる。

●安田
井戸さんは老舗のステーキハウス「いわたき」を買収されたところから始まっています。年配の方々とお付き合いするのに慣れていますよね。「けん」のオーナーは何人?

●井戸
19社、22名ですね。店舗数は直営とFCで半分半分です。今後は今年の12月末に100店舗を達成して、2年後に200店舗になる計画です。その時の比率がFC70店、店長をオーナーにする業務委託店で70店、残り60店を直営にしていきたい。直営は持ちたくない。

●安田
オーナーさんとのお付き合いの仕方は?

●大倉
14名で一番短い方でも5年以上なので、訴訟問題も1件もないですし、基本的には良好。私の携帯にダイレクトに相談される方も多いですし。元社員、私の友人、店長時代のお客様、仲間が多いですから。私よりいい生活をしている方がいる(笑)。隠れて海外旅行に行ったりとか、いい車に乗ってるのに私には見せないとか。

●安田
「けん」の場合、オーナーの数を増やしていくのですか?

●井戸
ベンチマークさせていただいてるのは大倉さんの所。既存のオーナーに最低3店以上経営してもらう。FCビジネスを始めた時に、加盟企業さんはお客さんと考えてますから、飲食店のお客さんと同じく、リピートさせるためには、店が良くなきゃいけない。加盟企業さんにもう1店やってもらうためには、事業として優れてなきゃいけない。本部として誠実な対応をしなきゃいけない。社数は増やしたくない。既存加盟企業さんの店数を増やしたい。

【取材・執筆】  安田 正明(やすだ まさあき) 2010年3月31日取材