・人間関係だけで集客する
バーは回転率を考えてはいけないビジネス。暇な店ほどお客にとっては居心地の良いバーだ。
「オープンして満席になってその人たちが深夜まで居続けても厭な顔一つするな、が基本。水しか飲まなくても居ていい。だから、1.0回転しかしなくても潰れない店を作る。」
2008年、渋谷に紹介制バー「OLIM」をオープン。お客同士をビジネスマッチングしてあげることで、1.0回転を維持している。同店は1980年代伝説のデザイナーズバー「黒い月」の跡地。当時のまま居抜きで使用している。
「集めたオーナー10名からの出資でオープンさせました。人の繋がりを作ることにフォーカスしています。オーナーさんに誰がその日に来るのか予約状況を公開しています。その人に会いたい人がさらに予約を入れてくる。8坪で10席の店ですが、カウンターは毎日予約だけで1回転します。休日はビジネスセミナーも開催しています。オーナーさんは出資といいながら、金銭のバックはほとんどありませんが。人脈作りが優先的にできるので満足されています。店長の仕事の半分は、パソコンの前で、誰と誰が出会えば何が生まれるかをずっと考えています。」
「入会すると1時間面接します。欲しいクライアントや繋がりを聞きだす。そして、次回いつ来ます、と聞く。その日にその人が会うと喜ぶ人をメールで呼んであげる。僕も楽しくて週に2〜3日はOLIMにいますね。」
「過剰なサービスや、有料の販促ツールを利用して集客することはしません。集客は全て人間関係。人間関係だけで店に客を入れたい。普通は、雨が降ったりして不安定要素があります。1週間前の段階で席が埋まっているというのをどうやったら作れるか考えました。そこで最低限を確保する。そして、当日ふらっと来たお客の分は利益と考える。」