・バーテンダーを派遣して、寝ている間に家賃がゼロに
「最終的には直営店舗を増やさずに、バーテンダーばかりの会社にしたい。もしくは上手くいかない店に夜中だけやらせてもらって、家賃分は保証してあげて、それ以上の利益は折半しましょう。でもウチは1銭も出さない。バーにするための改装費を100〜200万円出してもらう。二毛作店として11時からバーをやらしてもらえれば、寝ている時に家賃がゼロになる、をウリにしたい。店もバーだとカッコいいはないですか。今、既に複数の問い合わせをいただいています。」と小林氏。
「20年でバーをやって飽きました。人材ビジネスをやりたい。バーであまり大きな利益を上げることはお客様の思いと反する。お客様は人がいないバーが好きなんです。どうやったら儲からないでやっていけるバーをつくるか、です。スタッフが集まり易く、夜中だけの営業で十分、酒は腐らない、イニシャルが落とせるなど、色んなUSP(Unique Selling Proposition)を持っています。現実は、強みがあるのにUSPになっていない。」
「色々な人と一緒にやっていきたい。バーテンダーは辞めてもこんな風に展開できるんだよ、ということを示したい。世界で始めてそんなのをやったバーテンダーになりたい。 色々な経営者を知っています。それは僕は元バーテンダーだったから、と言いたい。するとバーテンダーはカッコいいな、将来役に立つかも、と思ってくれる人が増えます。」
人口減少でしかもアルコール離れが進む中、バーの存在意義を見つめ直している小林氏。バーテンダーを人生修業と見立てて、次のステップへのドアを開けてくれる職業だと位置付ける。バーテンダーを目指す若者に新たな夢を与えようとしている。
■小林 信秀氏
有限会社アズザクロウフライ 代表取締役。1974年生まれ。東京都出身。94年、1号店バー「Vision」を東京・吉祥寺に開店。現在、バー9店を直営し、バーの開業コンサルティングも行っている。
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