・食べログは無料でホームページのリッチ化ができる
さて、このように消費者サイドに立ったクチコミ飲食店評価サイトの食べログであるが、飲食店が活用する術はあるのだろうか。
食べログはレーティングを参考にしてお客さんが来るのだから、まず点数が低すぎては話にならない。
クチコミの中に改善すべきヒントが示唆されているケースも多いので、点数が高い店もチェックして損はない。
次に、改善すべきことに対策を打ったとして、それをアピールしないとユーザーには伝わらない。
無料会員に申し込むと、PRのためのキャッチコピーと文を付加することができる。また、写真もユーザーが撮った写メから、おいしそうに見える出来栄えの良いものに換えることもできる。
メニューを料理、ドリンク、コースなどに分けて詳しく掲載でき、クーポンも発行できる。個室があるとか、カードが使えるかなども書き込める。
イベントやキャンペーンのような最新情報も、随時アピールが可能である。
無料でこれだけのことができてしまうので、販売促進のためにやったほうが断然お得である。実際、約2万5000店はすでに無料で自ら、食べログサイトで情報発信している。ただしホームページの書き込みを食べログの営業マンがしてくれるわけではなく、全部お店側でやらなくてはならない。
さらに、食べログを有効活用したいのなら、去年の春より、月額5000円の有料会員コースが2種類設定されている。両方加入すれば1万円だ。
1つは、食べログホームページ内で、自店が該当するエリアやジャンルの検索結果の上部に設けられた特別枠や、同じカテゴリーの店のページに自店情報が表示される、ターゲティングPR枠の設定である。たとえば寿司ならば、こちらの店もありますよとアピールできる。より目立つのは明らかで、アピールするチャンスが増えるというわけだ。
もう1つは、店舗ページリッチ化である。通常より大きな写真が掲載でき、電話番号を上のほうに大きな字で出せる、イチ推しポイントを書き込める、自分の店のホームページにターゲティングPR枠を設定できなくさせる、といったメリットがある。
店舗情報リッチ化とターゲティングPR枠、両方の有料サービスを使って集客している、バンコクキッチン有楽町店。
両方入れば、自分のお店はさまざまな他店のページのターゲティングPR枠に登場するが、自分のページにはターゲティングPR枠を設定させないというような操作ができる。
こうして見てみると、食べログはクチコミグルメ評価サイトでありながら、低料金でPRにも使えることがわかってくる。
食べログは、レーティングにグルメな消費者の意見が反映されていると一般に評価されており、アクセスも今後さらに伸びることが予想されることからも、販促ツールとしての有用性はさらに増していくと考えられる。