フードリンクレポート


社員食堂として08年「HI.SCORE Kitchen」開店。
〜外食を超える悪ふざけ文化を創造する!IT上場社長が仕掛けるカフェビジネス〜(4−1)
家入一真氏 株式会社パーティカンパニー 代表取締役社長

2010.6.13
家入氏は個人向けレンタルサーバー事業を行う株式会社paperboy&co.(以下、paperboy&co.)を2001年10月に創業。08年12月にジャスダック市場に上場。IT経営者の間であこがれの存在だ。そんな家入氏は、今、IT産業から、正反対とも思われる外食産業に進出している。現在カフェ、レストラン6店を展開し、6月に渋谷1店、7月に渋谷1店と江の島で海の家を出店する。4回シリーズの第1回目。レポートは安田正明。


家入一真氏。paperboy&coを08年12月にジャスダック市場に上場させた。

社員食堂として08年「HI.SCORE Kitchen」開店

 paperboy&co.の社長時代に、本社のあった渋谷・セルリアンタワーの近くに2008年5月、個人出資でカフェ「HI.SCORE Kitchen」(東京都渋谷区桜丘町4-2 ジョイス渋谷3F 電話03-3770-8145)を出店したのが、家入氏の外食参入の始まり。


「HI.SCORE Kitchen」(東京都渋谷区桜丘町4-2 ジョイス渋谷3F 電話03-3770-8145)

「paperboy&co.の社員が社員食堂的に使えるカフェがあるといいよね、という話になり、じゃ僕が、と作ったのがハイスコアキッチン。個人事業として始めました。社員が昼や夜に食べにきてくれると回るかな、と思いました。飲食は全くわかりませんでした。いつもそうなんですけど、勝手に走り始めるんです」と家入氏。

「物件がセルリアンタワーの近くに出たので、見に行ってその場で押さえました。カフェの内装ができる人を知らなかったので、友達づてに探しました。誰が、どんな料理を作ればよいかなど、内装をやってくれた人が取引先のカフェの人に聞いてみてくれたり、紹介、紹介でなんとか立ちあがりました。」

「いざ作ると面白くなり、これ本気でやってみたいと思うようになりました。社員以外も来てくれ、知らない人達が店で、美味しいね、内装いいね、とか話してる。これって凄いことだと思いました。paperboy&co.はレンタルサーバー事業。個人向けに安く提供して使ってもらう。僕達は場を用意するからその上で 好きなものを作って自己表現してもらいたい。カフェもレンタルサーバーと同じくインフラに近い存在なんです。カフェでお客さん同士から生まれる会話、そこで行われるイベント、食事。そう考えると、場を作るということでは一貫しているんです。」

「古くから続いてる産業の方はITを毛嫌いする方が多い印象です。カフェを始めて飲食の人と知り合うようになり、はなからITなんか信じないという人もいっぱいいました。ITはツールでしかない。色んな産業を結び付けるツールです。ツールと考えれば毛嫌いすることはなくて、仲良く一緒にやることでできることがある。IT出身だからこそ出来ることもあるのかなと思っています。」


【取材・執筆】  安田 正明 (やすだ まさあき) 2010年6月1日取材