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売上次第で入れ替えもあり。横丁経営の方法とは?
〜内装、業態提案、横丁運営まで。「職人集合体」で急成長〜(4−3)
下遠野 亘氏  株式会社スパイスワークス 代表取締役社長  

2010.6.25
馬肉料理から始まり、魚貝ビストロ、鉄板焼き、そして「神田ミートセンター」、「品川魚貝センター」などの横丁業態を次々と成功させてきた株式会社スパイスワークス。建築業ならではの強みを活かした業態開発力で多方面へ展開中。4回シリーズの第3回目。レポートは村田麻未。


内装を手がけるからこその強みが活きる横丁経営。

売上次第で入れ替えもあり。横丁経営の方法とは?

 2年前にオープンした「恵比寿横丁」、先日1周年を迎えた「神田ミートセンター」、昨年の「品川魚貝センター」など、これまで様々な横丁スタイルのお手伝いを手がけてきた株式会社スパイスワークス。どんな仕組みで経営しているのだろうか?


「神田ミートセンター」ファサードイメージ。

「基本的には、箱全体をうちが借りて、マスター(貸し主)となって個別店舗に区画を貸します。もちろん、最初に箱を借りる際は一旦お金を借り入れますが、開店前に各店舗からは保証金として回収します。そして、家賃+売上連動の管理費数%を毎月いただく形です。あとは、入る店舗の施工を請け負います。これは必ずうちでという決まりはありませんが、小さい規模の店舗が多いので、お任せいただくことが多いです。」

 同社は事務局として、横丁の運営をする全店舗から組織される商店会と共に横丁の運営にあたっているのと、何か合ったらすぐ対応できるよう、各横丁に一店舗ずつ自社店舗を入居させている。従って、各店舗の状況が逐一分かるのである。「多くの店舗の内装、施工を請け負っていますから、開店後、手直しや修理が必要になった場合でもすぐ連絡を受けられ対処できます。」内装から関わっている強みがそこにはある。


施設全体のみならず、各店舗の内装も請け負う。

 
 売上の悪いテンポは入れ替えがある。これまでに、恵比寿で3店舗(14店舗中)、神田で1店舗(8店舗中)入れ替えた。1年間に約10%の割合である。施設に入る全店舗で組織する商店会と管理会社である同社の話合いで70%の賛同が得られれば入れ替えとなるそうだ。

「ありがたいことに、横丁に入りたいとおっしゃっていただけるお店はお多いです。第1号店の出店として。小規模な飲食店にとって、1号店として出店するには少ないリスクで済みますから。」今のところ、どの横丁も好調で、特に恵比寿横丁は、最高180万/坪という月があった店舗もあるという。


【取材・執筆】  村田 麻未(むらた あさみ) 2010年6月10日取材