・横丁運営のカギは「商店会」、信頼とコミュニケーションが大切
「全店舗に参加してもらう“商店会”を組織し、この商店会で横丁全体の運営をしていきます。そして、第3者機関のうちが事務局として入ることで、うまくいくようです。」と下遠野氏。この商店会という組織と同社の事務局という立ち位置が、横丁運営のカギを握っているようだ。
「神田ミートセンター」内、「たことうみ」イメージ。
定期的に会議を開き、話し合いの場を持つ。広報やキャンペーンの仕方、なども、話し合い決める。例えば、ホームページで個々ページを作るのか、横丁全体でぐるなびに参加するか、など。まさに町内会といった感じ。
横丁という独特の業態ゆえ、特有のトラブルや問題も起こる。「横丁という雰囲気に誘われるのか、スタッフもお客さんも一風変わった人が多いと思います。お客さんの取り合いになったり。横丁外の近隣店舗のクレームもあります。」そんな時、利害関係社が多いだけに、間に入る調整役が必要になるのである。その役割を同社が担っている。これも、町内会長のような仕事。
「神田ミートセンター」内、「グリグリグリル」イメージ。
箱を借りて店舗を探して貸すのは、まさにディベロッパー。でも、内装も業態提案もできるという点で“攻める”こともできる。一方で、自らも店を構える運命共同体。横丁全体の売上が芳しくなければ、自分たちで盛り上げもする。その信頼感が更に団結を強めているのかもしれない。それが横丁全体の売上にもつながっているはずである。
「神田ミートセンター」内、「しんちゃん」イメージ。
同氏は、今後もまだしばらくは横丁人気は続くと見ている。実際に、今年中に約20店舗が入る予定の渋谷の計画や、9店舗とダンスホールが入る古き良き横浜をコンセプトした横丁など、いくつかの横丁案件が動いており、好調な様子が伺える。横丁人気の今後と同社の新たな業態展開が楽しみである。
■下遠野亘氏
株式会社スパイスワークス 代表取締役社長。1974年生まれ。東京都出身。2005年水道橋に「仕事馬」をオープン。現在、13店の直営店、3店のFC店舗の運営の他、内装を中心とした設計施工を手がける。
→株式会社スパイスワークス