・iPad はコンテンツ次第で面白さ、非日常を演出できる
●安田
残念ながら外食は、世の中の流れからはちょっと遅れているのではないかという意識があるんです。外食の中だけの流行はさまざまにあるのですが、考え方として世の中の流行にもっと外食も乗っていきたいのです。そこで最近話題になっている、「iPad」をどう使うのかをテーマに座談会を企画しました。皆様のハマり具合を聞かせてもらえますか。
●金澤
「iPad」は発売日に、会社に届くように購入しました。飲食店のデザインをさせていただいていますが、4月に大阪で直営店を2店(「ホリエテッパンバール」、「しろワイン酒場コンロ」)をオープンしました。インサイドの佐藤社長には毎日のように来ていただいています。佐藤社長とお話させていただく中で、「iPad」がとても面白いと意気投合し、一緒にお仕事をさせていただいています。まずはメニューづくりの面で、もっと飲食店を楽しくできないかと考えています。
金澤拓也氏(店舗デザイナー、株式会社カームデザイン 代表取締役)
●佐藤
弊社は日本で永住権を持っている外国人、特に日本人と結婚していて子供のいるフィリピン人の奥さん向けに、NTTの代理店として「Bフレッツ」の回線を販売しています。元々はブラジルやペルーの日系人をターゲットにしていたのですが、彼ら出稼ぎ労働者は派遣切りに遭うので、フィリピン人にシフトしました。「iPad」のアプリのような新しい技術は若い人に2週間くらい学ばせると、飲み込みが早くて、とてつもなくいいプログラミングができるようになることが多いです。Webやゲームとはまた違った新しいジャンルですし、楽しみな時代になってきました。
佐藤晃一氏(株式会社インサイド 代表取締役)
●宮田
弊社は「関心空間」という携帯電話ユーザー向けに、気に入った商品を紹介し合うクチコミサイトを運営していまして、企業様にカスタマイズして提供しています。「iPad」に関係してくる事業では、昨年末に新しく「ランブリン」という、ツイッターと場所を結びつけたサービスをリリースしまして、リアルに街に根ざしたつぶやきを、共有できないかとサービスを考えているところです。最近は表参道の商店街や、「豚組」のグレイス・中村仁社長ともお会いしてビジネスを練っています。
宮田正秀氏(株式会社関心空間 代表取締役社長CEO)
●河内
株式会社ダイヤモンドダイニングで、飲食店の企画開発、お店づくりを担当しています。ブログとツイッターもやっていまして、「豚組」のグレイス・中村仁社長から「iPad」を見せていただいて、何かが変わるきっかけになるツールではないかと直感しました。トレンドの事前予測を仕事としていく中で、情報の発信源としては面白いと感じています。
河内哲也氏(株式会社ダイヤモンドダイニング 執行役員企画開発部長)
●安田
「iPad」は電子書籍が読めるというイメージがありますが、メニューブックを電子化してみる手はありますね。
●金澤
メニューブックを単純にデジタル化しただけではつまらないです。たとえばそこに「ウチの売れ筋メニューは何ですか」とクイズを入れてみる。1位から5位まで当てたらドリンク1杯無料とか、コンテンツとしてもっとお客様に楽しんでいただけるものを提供できると思っています。見せ方でも、グラフィックデザインの面で高度なことが、いろいろできそうです。
●河内
弊社のコンセプトレストランでは、飛び出す絵本のような立体的なメニューブックをつくって、ファンタジーの世界を表現しているのですが、「iPad」を活用してお客様をワッと驚かせることができると思います。空間で驚いてもらって、メニューでも驚いてもらって、料理でさらに驚いてもらう。非日常の演出面で考えていきたいです。
●安田
今までネットでお得な情報をだすと言えば、クーポンとメルマガくらいでしたが、もっと面白いことができそうですね。