・時代から求められるカフェ・カンパニーの価値
カフェにとどまらず、レストラン、居酒屋など多様な業態、そして、直営のみならず、FC店舗の展開、オフィス設計や商業施設の空間のプロデュースまで幅広く手掛けているカフェ・カンパニーであるが、どのようなきっかけで始まるのだろうか。
複数のスペースがあり、用途に合わせて使える「PUBLIC HOUSE CAFE & LOUNGE」。
同社の業態展開が注目されるにつれ、ディベロッパーなどから多くのオファーが来るようになったが、「この業態だからここに出す、というのはありません。」と楠本氏。意外にも、「業態ありきで出店していくようなスキルはないんですよ。」と自らを語る。
自分のタイプを剣道の攻め方になぞらえて、「後の先(ごのせん)。」と言う。「後の先とは、自分から打ちに行くのではなく、人に打たせてそれを交わしながら打つ、という攻め方。こんな場所があるがやりますか?という話があると、どんなもんだ?やってやろうと火が点くんです。そこからですね。」
7月1日代々木公園にオープンした「WIRED CAFE<>FIT」。
ディベロッパーから多くの声がかかる理由として同氏はこう分析する。商業施設が次々にオープンする中で、「今後ますます商業施設は、“売り場”から“集い場”としての役割が増えてくると思います。そういった意味で、コミュニティを創り出してきた弊社への相談が増えているのかもしれません。」この時代が求めた存在がカフェ・カンパニーだったのである。