フードリンクレポート


シェフがプロデュース。料理にこだわったビアガーデン。
〜夏本番! ビアガーデン革命、全国で進行中〜(5−1)

2010.7.28
いよいよ梅雨が明けて夏本番。気温の上昇と共にビールの美味しい季節になった。夏の夜、屋外のビアガーデンで涼みながら飲むビールの味は格別だ。しかも、今年は料理や空間にこだわったビアガーデン、一味違うサービスを試みるビアガーデンが増え、従来のイメージを一新している。ビアガーデン革命の進展状況をレポートした。5回シリーズ。レポートは長浜淳之介。


ルミネエストのビアガーデンはイメージを一新した。

シェフがプロデュース。料理にこだわったビアガーデン

 今年、従来から営業していたビアガーデンの刷新に取り組んだのは、新宿駅東口からすぐの「ルミネエスト」。

「ルミネエスト」では4月より屋上に芝生を植えるなど庭園風に改装し、「ルミネガーデン9」と名づけて一般に開放しているが、夏季の夜にビアガーデンが開設されることになり、今年からソルト・コンソーシアムが運営している。

 5月28日にオープンした、新感覚のビアガーデン「BBQ&BEER TERRACE 130DAY’S」は、鶏のジンギスカン「鶏(トリ)ギスカン」をメインとし、料理からの差別化を行っているのが大きな特徴。


鶏のジンギスカン「鶏(トリ)ギスカン」。

 せせり、カルビ、胸肉、手羽と4つの部位を使い、鶏のいろんな肉の味比べができる。野菜もたっぷり入っており、ボリュームがあってヘルシーな印象のメニューだ。

 利用料金は、「トリギスカン」セットに枝豆とスパイシー唐揚げが付いて3600円(2 時間制)。「トリギスカン」は自分で焼いて食べる。

 また、3600円(2時間制)の中には飲み放題も含まれており、セルフサービスで20種以上のドリンクが楽しめる。生ビールはもちろん、サワー、日本酒、焼酎、ソフトドリンクのほか、氷を入れて飲むカチワリワインも赤と白が揃っている。


生ビールもセルフサービス。

 料理のプロデュースは、ソルト・コンソーシアム取締役総料理長・清水明氏。同社は鶏料理の業態として、中目黒と丸の内に「焼鶏あきら」、中目黒に「水炊きしみず」、ルミネエストとルミネ横浜に「焼鶏AKIRA」を展開しており、元々女性客が多い。清水氏はいろんなビアガーデンを食べ歩き、唐揚げやフライドポテトのような、ビールのおつまみしかない従来のビアガーデンではなく、しっかり食事を取れる場所にして、ルミネの顧客である高感度の女性客にも来てもらえることを目指した。期日は9月30日まで。


ビアガーデン受付。ルミネの顧客である高感度の女性客が狙い。

 座席もウッディーなテーブルにおしゃれ感があり、ゆったりと間隔を取ってある。アーティスティックな飾り付けも相まって、海辺のリゾート地のような雰囲気を醸し出している。

「ルミネエスト」は8階建のビルで、屋上は9階に相当するが、新宿でも駅の西側と違って東側は意外と高い建物がなく、見晴らしも良好だ。

 顧客層はサラリーマンばかりでなく、学生など若者も多く、女性の来店も狙いどおり多くなっている。男女比は半々くらい。カップルや女子会の需要も多い。

 席数は370席あるが、「おかげ様で連日多くのご予約をいただいており、問い合わせの電話がずっと鳴っている状態です。リピートのお客様が多いのも嬉しいです」(ソルト・コンソーシアム広報兼企画部長 石川嘉廣氏)と、順調な集客ぶりがうかがえる。


毎週水曜日には女性アーチストのライブを開催する。


【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2010年7月26日執筆