・音楽、ファーマーズマーケット・・・さらなる展開と今後のビジョン
いまや、首都圏を中心に44店舗を運営するカフェ・カンパニーであるが、音楽分野でCDのプロデュースや、ファーマーズマーケットのプロデュースなどにも取り組んでいる。
“日常を豊かにする音楽の提案”をコンセプトに、WIRED CAFEがセレクトした曲をCDにしたWIRED
CDシリーズも今年5月に発売された「Feel」で第4弾となった。楠本氏によれば、「これからビジネスモデルが変化していく中で、音楽の価値はさらに高まっていくと思っています。ただ、私たちはそもそも飲食店。“生活文化”をつむぐ中で生まれる音楽であり、それがコンテンツとなります。」
WIRED CDシリーズ第4弾となる「Feel」。
「TABE TABI MARKET」は今年4月から始まった、都会で暮らす人たちと生産者を結びつけるマーケット。青山1丁目の同社店舗「246 CAFE<>BOOK」前で毎月の最終日曜日に開催されている。毎回、旬の野菜や肉、魚など、その季節ならではの食材が並ぶマーケットである。
今年4月から開催している「TABE TABI MARKET」。
「都市生活者はどのように野菜や肉が生産されているのか、知らなければならないと思います。そこで、大切なのは目線が合った場所で出会うこと。農業を語るのは100年早いと思いますが、農業をリスペクトしてそんな出会いの場を作りたいと思いました。」
「246 CAFE<>BOOK」の前で開催。
こういう活動をすることで、人と人が出会い、化学反応を起こすことでまた新たな価値、新たな展開が生まれているようである。「自分が知りたいことと社員に知って欲しいこと、それをビジネスに出来る幸せを感じています。」と同氏。
「ビジネスではあるが、大きな利益を求めてはいない。ただ、収益を出すことは重要。異業種とのコラボレーションでも、利益がなければ。」と様々なプロデュースを進める中で、譲れない部分もある。
同社のカフェ事業の売上は、昨対を超え続けているというが、売上目標は持っても、その目線に縛られるわけではない。会社のビジョンを尋ねると、「日本一のコミュニティ企画・運営会社になること。」あくまで自然体である。
人と人が出会うコミュニティを創造することで、その中で化学反応が起き、その結果として新しい価値を提供するビジネスが生まれる。そんな自然な循環の中で成長してきたのがカフェ・カンパニーなのかもしれない。
■楠本 修二郎(くすもと しゅうじろう)
カフェ・カンパニー株式会社 代表取締役社長。1964年、福岡市生まれ。早稲田大学政経学部卒業後、リクルートコスモスに入社。93年に大前研一(元マッキンゼージャパン支社長)事務所に移り、「平成維新の会」事務局長を務める。2001年にカフェ・カンパニーを設立。現在、国内43店舗、海外1店舗を展開(2010年7月現在)。飲食店・物販店の経営、設計・企画プロデュースなどを手がけている。