・上場廃止への社員の反応とその後
上場を廃止してからの変化について聞いた。
「適時開示の義務が無くなったので、精神的には楽になりました。開示業務は、本業ではないところで労力を使うことなので、かなり負担になります。人員的には、本社スタッフを現場に移すなどして、40人から30人ほどに減らしました。」
モッツァレラバー「オービカ」のエントランス。
社員の反応はどうだったのか?
「上場廃止は、大きな不安が生まれたというよりは、どうなるのだろう?という漠然とした不安を抱くという感じだったようです。でも実際には日常にはあまり変化がありません。それよりは、事業のリストラのショックの方がよっぽど大きかったようです。」
上場廃止と並行して、事業の整理を始めた同社。昨年から数えて、7店舗を閉めた。来年、2011年度中に全店の黒字化を目指している。「今年中に黒字化の目途が立たない店舗については、クローズすると全店舗に伝えました。」
4種類のフレッシュ・モッツァレラが楽しめる「オービカ」。
新規出店より、既存店舗の業態転換を進めている。港北の店舗の一つをハワイアン業態の「パイナップル・テラス」に、ラ・チッタデッラのイタリアンをカフェ業態「チッタ・カフェ」へ転換させる。最近の傾向として、イタリアン業態はあまり奮わず、「東京ベリーニカフェ」は現在新宿の1店舗を残すのみとなった。
「上場を廃止したというのもありますが、現在は会社全体としての目標数値は出していません。昨対の数字のみ共有し、ブランドごとに比較分析しています。目標を並べるよりは、現時点で昨年と比べて今どうなのか、ということの方が社員にはわかりやすいのではないかと思っています。」
既成事実に縛られない、より現実に即した経営と業態展開が始まっている。