フードリンクレポート


マルチ業態:サブライム、東京レストランツファクトリー、ワンダーテーブル。
〜経営者10名が景気を読む!〜(3−2)

2010.8.12
今年も既に折り返し点を超えた。2008年秋のリーマンショックから早くも2年を迎えようとしている。そろそろ景気の転換点への期待が盛り上がってきているようにも感じる。年末商戦へ向け、10名の外食経営者に7月、現在の景気の感想や、今後の注意点を聞いた。まだまだデフレ傾向を指摘する意見が多い。3回シリーズ。レポートは安田正明。


花光 雅丸氏(株式会社サブライム 代表取締役)。

マルチ業態:サブライム、東京レストランツファクトリー、ワンダーテーブル

■花光 雅丸氏(株式会社サブライム 代表取締役)

 不景気を感じたことはない。お客様より先に業態をどんどん作っている。うちがお客様の先を行ってる。客単価を最近3分の2に落としているが、調子いい。美味しいものを安く。マクドナルド、サイゼリヤ、ワタミなど安いところが牛耳ってる。客単価2千円以下でやりたい。年収200万円くらいの人が来れる店。

 これから景気が良くなると思う。でも、そこを頼って商売したくない。景気が回復するのを見越して商売をやっちゃだめ。常に雨の日だという思いでやりたい。

株式会社サブライム 「えびす」「生ハム」など


■渡邉 仁氏(東京レストランツファクトリー株式会社 代表取締役)


渡邉 仁氏。

 領収書が増えた。8時までに帰る同伴客が増えた。バーはアフターも増えた。キャバクラも元気になってきたのでは。六本木店と銀座店が好調。六本木は元々景気が良くなった人が来る街。今年の暮れは期待できる。高いコース料理が出る。1万5千円のコースで30人とか。高額でも宴会が入る。30代、40代向けの次世代料亭として使われているようだ。次にキャバクラまで予約を入れてあげたりもする。

 これから元気が出てくる。暮れに向けて楽しみ。景気が良くなると、いい人が取れなくなるかも知れない。それに向けて人材の確保を始めている。出店のスピードを上げて行くので、おかしくならないようにしないと。今年は6月までで6店舗。合計17店。もっとスピードを上げたい。倍々ゲームに挑戦。でも最近、内容かなと思う。物件情報も入って来るし、銀行も応援してくれるので、やろうと思えばボコボコできる。ただ、それでいいのか。まずは人材ありき。

東京レストランツファクトリー株式会社 「三船」「博多道場」など


■林 祥隆氏(株式会社ワンダーテーブル 代表取締役)

 景気は分かりません。どうなってもいいようにしといた方がいい。リーマンショックで実害を受けた人と、受けてない人がいる。受けてない人も、使っちゃいけないんだというモードになっている。我慢していたが、そろそろ使おうかなと思い始めたようだ。領収書の数は変わらない。そもそも会社をターゲットにしてない。

株式会社ワンダーテーブル 「鍋ぞう」「バルバッコア」など


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年7月取材