・モーパラの海外FC展開が好調な理由とは?
「モーモーパラダイス」(以下、モーパラ)、「鍋ぞう」の海外展開も行っているワンダーテーブル。鍋文化があるアジア、台湾とタイでFC展開をしている。海外ではどのように受け入れられているのか?
「立地にもよりますが、モーパラの方が人気があるようです。そして、国によって人気に特徴があります。モーパラではしゃぶしゃぶかすきやきか、メニューが選べますが、日本では、しゃぶしゃぶとすきやきの割合は、8:2くらい。それが、台湾では逆の割合2:8で、タイでは半々くらいですね。タイには、現在2店舗ありますが、さらにもう1店舗出店の予定です。」
台湾では、しゃぶしゃぶよりすき焼きが人気。
モーパラが好調なのには訳がある。
「モーパラのキッチンには、専門のシェフが必要ありません。そして、鍋がメインなので、味のコントロールがしやすいのです。ちなみに、味は日本と同じです。出店前は、現地FCの経営サイドは味を変えたがります。現地の人に受け入れられ易いようにと。でも、“なんちゃって”の日本食にはしたくないので、味は日本と一緒で通しました。すると、これが本当の日本食だと人気が出たのです。変えない方がうまくいくのです。」
海外展開を行っている「鍋ぞう」。
これには海外FC経営ならではのプロセスが功を奏していた。
「FCであるということが防波堤になるのです。現地のFC経営陣が何かを変えたいと思っても、本部がこっちでは簡単に変えられない。場合によっては数ヶ月かかることもある。その間、“耐え忍ぶ”ことになります。その間に変えない方がうまく行くことが分かったりするのです。」
アジア圏での同社の業態は利益率がいいので、今後も展開が広がっていきそうだ。
臨機応変に対応できる体制が整った同社。国内外共に、今後の展開に注目したい。
■林 祥隆(はやしよしたか)
1963年生まれ 東京都出身。1986年、慶応義塾大学卒業後、株式会社第一勧業銀行に入社。
第一勧業銀行を退職し、UCLAビジネススクール(MBA)へ留学。 卒業後、両親が経営する株式会社ヒューマックスへ入社。1994年、富士汽船(株)<現
株式会社ワンダーテーブル>転籍。2002年、株式会社ワンダーテーブル 代表取締役社長に就任。