・50年以上の歴史ある横丁
1940年代終わり頃から1950年代の東京、お金持ちは銀座へ庶民は浅草で遊んでいた時代。そして新宿や渋谷の駅前では屋台がひかれていた。駅前の立ち退き命令が出された折りに新しい移転先となり今の横丁の原型となったのが「新宿ゴールデン街」であり「渋谷のんべい横丁」である。独立店舗の集合体として個性あるそれぞれが集まり、今もそのままの形で残されている。「店の集まるところに人は集まる」この鉄則は今も昔も変わらない。こうして店が集まった「横丁」には人々が集い賑わいを見せていった。
「新宿ゴールデン街」は花園稲荷神社のすぐ裏に位置し老舗から新店まで200店舗以上が集まる。「階段を上った先に行ってみなければ分からない」「外に置かれた看板だけで、中は見えない」など、開けてみなければ全く様子が伺えない店も少なくない。積み重ねられた年月は50年以上、有名人や文化人が夜な夜な通い語り合ったことでもその歴史は語られる。「時」がそのまま語っているようなノスタルジーな空気感は独特なものだ。
「クラクラ」入口(店舗は2階)。演劇人、映画人が集まる。
古くからの「横丁」は、バブル絶頂期や新しいビルの建設時などには地上げに合うこともあった。それらの転機には場所を変える店もあり、たとえばゴールデン街で10年以上続く店は現在20店舗ほどといわれている。
ゴールデン街 某店舗内。