・「再生」がキーワード
その後浜倉氏は2008年5月に「恵比寿横丁」をプロデュースしオープンさせる。ここはかつて「山下ショッピングセンター商店街」が栄えた場所でありその「再生」がテーマとなった。48坪の敷地に13店舗13業態の大衆的な居酒屋が集まり長いこと閉ざされたいたシャッター通りが「再生」されている。全体としては大衆的な雰囲気がむんむんする中、店内には恵比寿の若者が多く集まり活気にあふれている。
「恵比寿横丁」 内観。
2009年に入ると5月に「肉の殿堂 総合商店」と称し「神田ミートセンター」(神田駅徒歩3分・80坪・約223席)、12月に魚貝をテーマに「品川魚貝センター」(JR品川駅高輪口徒歩1分・31.2 坪・約136席)をオープンさせた。どちらも素材をテーマにしていることはタイトルからもわかり易く、更に「横丁」ではなく「センター」と呼称を変えそれを強調している。
「神田ミートセンター」は焼肉業態が撤退した後の大型一棟まるごと物件で、牛・馬・鶏・豚など肉を扱う8店舗が集結している。プロの食肉業者を巻き込んで作り上げられた。「神田ミートセンター」という店名や店前の雰囲気は、たとえば女性にはちょっと馴染まないサラリーマン向けの雰囲気が漂うが、今や「肉食女子の聖地」とも言われる。3階にある「べこ奉行」は1-2階とはまた違う女性でも使い易い空間。店舗スタッフも「ここは神田ミートセンターのペントハウスです」と語る。店内には「牛タン料理」がしっぽりと食べられる2〜3人掛けのソファーを配したロフト席もあり「神田ミートセンターに来るときはいつもここを指定席にしています」という女性客もいる。
「神田ミートセンター」 外観。
「品川魚貝センター」は魚介類を浜焼きや寿司などそれぞれ違った調理法で食べさせる5店舗が集められた。内装コンセプトは「市場」で、生簀で魚が泳ぐ様子や蒸し器から立つ湯気もその空気感を作るツールのひとつ。扱われる新鮮な魚貝類は築地の仲卸さんから協力を得て5店での一括購入している。それにより仕入原価は抑えられリーズナブルな価格設定が実現されている。
その後も同様にセンタースタイルの「恵比寿フィッシュセンター」(恵比寿駅西口徒歩2分・35坪・約110席)を2010年2月16日にオープンさせた。「地中海大衆酒場」と銘打って鮮魚を洋風にアレンジした料理を中心に4店舗が集合している。ワインもすすむ窯焼きピッツァや燻製料理、タパスなどが揃い30-40代のサラリーマンやOLをターゲットとしている。