フードリンクレポート


海外で寿司シェフは、高給取り。
〜外国人“寿司シェフ”が増加中。フュージョンと江戸前がせめぎ合う〜(3−2)
福江誠氏 東京すしアカデミー 校長

2010.9.2
海外の日本食ブームで、脚光を浴びる寿司。日本で唯一の寿司職人養成スクール、東京すしアカデミーが活況を呈している。中でも、海外の寿司店で働く外国人が“寿司シェフ”を目指して寿司留学してくるという。校長の福江誠氏に海外の寿司事情を聞いた。3回シリーズ。レポートは安田正明。


腕にタトゥーを入れた外国人も寿司技術を学ぶ。。

海外で寿司シェフは、高給取り

 同スクールには、2ヶ月の短期コースと、海外で活躍できる寿司職人を育てる1年コースがある。授業料は、2ヶ月で約80万円、1年で約150万円。受講生は、2ヶ月コースは外国人や外国在住の日本人、1年コースは海外の日本料理店で働きたい若い日本人が多いという。

「2ヶ月コースの17人中、イタリア、ベルギーなど外国人が半分です。日本人教師が英語で教えています。英語で寿司を教えられる先生も養成しています。1年コースは海外の寿司店で働いていた日本人が多い。日本に帰ってもう一度勉強する。簡単に出来るレベルからステップアップするためには修行が必要です。でも修行となると、また一から何年もかかるので、スクールに行こうとなります。1年コースは40人定員ですが、人気なので来年は80年に増やそうと思っています。英語にも力を入れていて、卒業までにTOEICで最低600点は取るよう指導しています。海外では英語でお客をよろこばせないと成功できないですから」と福江氏。

「外国人の場合、2ヶ月短期コースで自国に帰って、手っとり早く自分の店を持ちたいという人も多いです。今はブームなので誰がやってもそこそこ売れます。雇われでも修了証書を持って帰ると月給が10万円上がるとか言ってますよ。」

「日本人ならヨーロッパでは円高でも月給50〜80万円は稼げます。しかも勤務時間もきっちり守られ、バケーションも取れます。日本で働くより労働環境は凄くいい。」

「ワーキングホリデーで海外に行くのは、女性では看護師や美容師など帰国しても復帰しやすい職の方が多い。男性は料理人が実は多いんです。サラリーマンが辞めてバックパッカーするとか言うと周囲から反対されますが、料理人は簡単に出て行っちゃう。そして、フレンチやってた人も海外ではフレンチじゃない、日本人には寿司が武器なんだと気付く。そしてスクールに来てくれる。また、最近は不況の影響で、製造業で働いていた人も来ます。」


オーストラリアで寿司シェフとして働く日本人女性、ケイコ・ウォーターズさんの記事。

「女性も多いです。最近生徒の3割以上が女性です。国際結婚して既に海外に住んでいる女性も多い。海外は男女や年齢による差別はないです。日本で寿司を学んで、帰って転職しようとかとか考えています。日本人は寿司シェフとして有利なんです。給料も高い。」

 同スクールでは、2002年から1千人を超える卒業生を送り出したが、彼らは世界40〜50ヶ国で活躍しているという。自分の店を持っている人も100人以上。日本食ブームはまだまだ広がり、寿司シェフのニーズは非常に強い。


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年8月26日取材