フードリンクレポート


09年2月に独立1号店「鳥番長」。
〜「鳥番長」「日本焼肉党」2業態で業界騒然。ラムラから解き放たれた業態開発のスペシャリスト〜(4−2)
岩田浩氏 株式会社バイタリティ 代表取締役

2010.9.14
押しの強いネーミングと、作り込まれた業態として「鳥番長」(馬喰町、上野昭和通り)と「日本焼肉党」(浅草橋)の3店を展開するバイタリティが業界の注目を集めている。地方にも模倣店舗ができ、その業態の力強さを物語っている。同社代表の岩田浩氏は、株式会社ラムラ出身。当時ヒット業態「韓豚屋(ハンテジヤ)」「土古里(トコリ)」などを生み出した業態開発のスペシャリストだ。4回シリーズ。レポートは安田正明。


活気ある「鳥番長」。

09年2月に独立1号店「鳥番長」

 1号店「鳥番長」は日本橋・馬喰町に2009年2月にオープン。収入が下がるにもかかわらず、かつての部下達が付いてきた。現在のバイタリティ社員16名の内、13名がかつての部下。

「最初は8名社員でスタートし、1号店は全て社員で回しました。毎日50〜60万円売って、仕込みが終わらない状況でした。月に5〜6百万円は売れる自信があったので社員8人は養えると思った。初月に1300万円いって、忙しくて皆が倒れそうでした。オープン10日目で逃げた奴もいました(笑)。洗い場も僕がやりました。」


炭火七輪で焼く焼鳥がウリ。焼き鳥番長盛り合わせ(5種盛り)1,029円。


名物、鳥丸焼き 2,079円。

「馬喰町はラムラ本社の近くで土地勘があった。周りに店はデニーズやワタミなど大手だけ。ぐっと来る店が近所にないのでいける、また、土日はだめでも平日はいけると思いました。立ち食いそばの跡で後継者がいなくて、ずっと閉店のままの物件。ラムラ時代からこの物件が出ているのを知っていましたが、家賃が高かった。それが下がって、坪3万円切った。ずっと空いてたのを知ってたので刺し値で交渉。結局、25坪、税込63万円で交渉成立。オープンまでのフリーレントも付けてくれました。」


「鳥番長」 店内。

 そして、1年2ヶ月後の2010年4月に上野昭和通り沿いに2号店「鳥番長」をオープンさせた。

「いい物件があったので年末に向け社員を増やしたところで、条件がつり上がってその物件を諦めました。社員が一杯いて、早く店を出さないとどうしようもない、と焦りました。そこに昭和通りの物件に出会った。オーナーが翌週に別人と契約しようとしていた物件です。オーナーを早速『鳥番長』に連れて行って気に入られ契約にこぎつけました。でも、前の店子が2月まで出て行ってくれず、3月に工事して、4月1日にオープンです。社員は12月なのに仕事がなくて、10日以上休ませていました。1号店が凄く儲かっていたのが救いでした。」


【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年9月6日取材