フードリンクレポート


夏目理緒、多田あさみらが出勤。グラドルガールズバー。
〜アイドルに会いに行けるお店、じわり増殖中〜(5−1)

2010.9.15
「会いに行けるアイドル」をコンセプトに、秋葉原のカフェ付き小劇場からメジャーにのし上がったアイドルグループがAKB48。今やテレビ、雑誌で見ない日はないその成功に学んで、カフェ、バー、居酒屋といった飲食店にてアイドル、タレントが働いて、ファンと直に交流できる「タレントカフェ&バー」ともいうべき業態がじわじわと増えている。その背景にはアイドルをもっと近くで感じたい、ファンのニーズがある。5回シリーズ。レポートは長浜淳之介。


ガールズバー「PIPPI」(歌舞伎町)。左から、黒川結衣、多田あさみ、夏目理緒、小出真衣(敬称略)。

夏目理緒、多田あさみらが出勤。グラドルガールズバー

 歌舞伎町の一角にある飲食ビルに、正真正銘のグラビアアイドルがプロデュースし接客する、ガールズバーがある。

 その名は「PIPPI」。雑誌のグラビアやTVのバラエティー番組などでおなじみの夏目理緒さんと多田あさみさんが、共同でプロデュースしている。接客にあたるのは芸能事務所・エムズワールド所属のグラドルたちだ。

 営業日は月曜、土曜、日曜で、営業時間は月曜と土曜が20時〜翌朝5時、日曜が19時〜23時となっている。

 料金は、1セット1時間3500円、23時以降5000円。ハウスボトルの焼酎飲み放題が付いている。アイドルが接客するからといって、周囲のガールズバーに比べて特別高すぎるわけではない。


ビルの下の看板。


入口。

 オープン日は今年4月1日で、コンセプトは「グラビアの写真集、DVDを出しているアイドルと会える店」。AKB48のように握手会で会えるのにとどまらず、一緒に飲んで騒げるのが売りである。確かに今までこの種の店はなかった。

 顧客はファンの人はもちろんだが、芸能関係の業界人、各タレントが今まで一緒に仕事をした人など。ファンは撮影会、DVD発売記念の握手会などのイベントによく来る人ばかりでなく、むしろ今までイベントに参加したことないライトなファンのほうが多い。「PIPPI」で飲んだのがきっかけになって、イベントにも顔を見せるようになったファンも数多くいるそうだ。

 写真集、DVDなども一部買えるが、物販は主たる目的ではなく、楽しく飲めるお店でありたいと、夏目さん、多田さんは考えている。


ガールズバーなので着席して接客はなし。


アイドルと楽しく話せて飲める店。

 プロジェクターにはアイドルたちの作品が写されるので、気に入れば専門ショップや通販で購入してもらえばいいといったノリである。

「不況で新人の子たちは、なかなかDVDも出せなくなってきました。自分たちの名前でお店を出してお客さんに来てもらい、顔と名前を覚えてもらえたらと思いました」と多田さんは語る。

 実は多田さんは、自身と他のグラビアアイドルの作品のプロデュースも行っている。企画書を書き、台本にして、撮影コンセプトを決め、メイク、スタイリング、カメラなどの専門家を動かし、編集、音入れ、パッケージのデザインまでをトータルにプロデュースしている。

 2008年にデビューして、自身のDVDが8本リリースされているが、自分以外のアイドルをプロデュースした作品も8本ある。「PIPPI」は多田さんプロデュースの作品を出している新人アイドルたちを、世に広める場でもあるのだ。


人気グラビアアイドルでこの店のプロデューサー、夏目理緒さん(右)と多田あさみさん(左)。

「今はDVDが2000枚売れればヒットと言われます。名前が売れていない新人なら1000枚売れれば良いほうですし、握手会のようなイベントをしても、なかなか人が来てくれないです」と8冊の写真集と31本ものDVDを出している夏目さん。デビューした2003年と今では、グラドルを取り巻く環境が本当に変わったという。そこで突破口を探っていたところ、アイドルが接客するガールズバーを開いてみてはどうかとなった。

 顧客同士で仲良くなって一緒に飲むようになったり、アイドルたちも顧客とテキーラボールを一緒に食べて盛り上がったりと、楽しい雰囲気の店になっている。カラオケもあり、希望者はアイドルと2ショットチェキ(1枚1000円)が撮れてその場でサインしてもらえるサービスもある。

 早くも満席になる時間帯も多い人気店になっているが、完全に定着させて、2号店、3号店と広げていきたい意向である。

 なお、金曜、土曜、日曜の昼間10時から18時までは、同所でグラドルがメイド服で接客するメイドカフェ&バーとして営業している。


【取材・執筆】 長浜 淳之介(ながはま じゅんのすけ) 2010年9月8日執筆