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プロデュースと直営の2本建て。
〜「鳥番長」「日本焼肉党」2業態で業界騒然。ラムラから解き放たれた業態開発のスペシャリスト〜(4−4)
岩田浩氏 株式会社バイタリティ 代表取締役

2010.9.16
押しの強いネーミングと、作り込まれた業態として「鳥番長」(馬喰町、上野昭和通り)と「日本焼肉党」(浅草橋)の3店を展開するバイタリティが業界の注目を集めている。地方にも模倣店舗ができ、その業態の力強さを物語っている。同社代表の岩田浩氏は、株式会社ラムラ出身。当時ヒット業態「韓豚屋(ハンテジヤ)」「土古里(トコリ)」などを生み出した業態開発のスペシャリストだ。4回シリーズ。レポートは安田正明。


岩田 浩氏。中学卒業後、外食で働く。

プロデュースと直営の2本建て

「今後も業態を作りたい。プロデュースの話もあります。マニュアルだけ欲しいとよく言われます。そんなのあげられる訳ないじゃないですか。仲のいい社長で仕入れルートを持つところと手を組んで、2人で力を合わせてやりたいですね。運営は向こうに任せて。自分も同じようなものを作ってウチでも直営する。でも仕入れは同じで。というのもありですね。」

「『鳥番長』のFCはやらないのか、とよく聞かれます。僕はFCの考え方が厭です。とにかく知らない人とは組みたくない。やりたい人は、どうぞパクって下さいと言います。何も難しくないです。地方に持っていけば、儲かりますよ。」

「直営は年に1〜2店出せればいいです。今の仲間と皆で成長して店を持って、同じ看板でずっとやっていけるようにしたい。いつも店長じゃつまらないので、会社を作らせてあげたい。その仕組みを模索中です。やたら直営店を出し続けるのは絶対良くない。働いてる側は過酷です。以前と同じような状況を作りたくない。」

「年に1〜2店でも、最終的には30店以上になっちゃう。無理して出店はしません。業態も新しいのを作りたい。アッパーな業態は作れないので大衆で攻めて行く。3000円程度で面白いのを作りたい。業界の中でも面白いと言われるような店を。」

「見て歩いて店を作るとパクリっぽくなります。自分の業態開発は、山形に行って牛を買う所から始まります。韓国にも15回行きました。自腹でも食べ歩いてきました。業態は作り込んでいきたい。繁盛店を見には行くけど、いいなでその店を作ろうとはしません。旅館とかちょっとズレたところにヒントを貰いに行きます。オリジナルなもの、僕たちだから、俺たちしかできないことを人間力で作って行こうと思っています。仕込みも全て手作りです。大手はそんな面倒なことをやらないでしょう。結果的にはお客様に美味しいものを提供できるし、ストーリーも語れるのが強みです。」

「次は、豚をやりたいですね。サムギョプサルみたいに韓国では一品で勝負している店が多い。その韓国で次々に新しい料理が生まれているので、見に行って面白い業態を作りたいです。」

 人気業態を安易に真似た店が多い中、逆に岩田氏のオリジナルへの拘りが外食業界で輝いている。日本中の外食企業、そして消費者にオリジナリティの大切さに気付いて欲しいものだ。


■岩田 浩(いわた ひろし) 
株式会社バイタリティ 代表取締役。1971年生まれ。東京・浅草出身。中学卒業後、中華料理店、酒屋、営業会社などで働き、97年に株式会社ラムラに入社。2008年12月、同社退社。08年12月、株式会社バイタリティ設立。

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年9月6日取材