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底を打った、東京へも中規模店で出店攻勢。
〜総合チェーン「きちり」のメニュー訴求力には限界がある。
専門店メニューをチェーンに落とし込み魅力アップ〜(3−3)
平川 昌紀氏 株式会社きちり 代表取締役

2010.10.1
きちりは「純正 コラーゲンスープ店」(東京・池袋、2009年11月開店)、「いしがまやハンバーグ」(東京・吉祥寺、10年9月開店)、イタリアン「アルトロ・ル・オーゴ」(大阪・堂島、10年9月開店)と専門店を次々に出店している。チェーン戦略を変更した訳でなく、強化するのが目的。オーストラリアへの社員旅行から帰国したばかりの平川昌紀氏に聞いた。3回シリーズ。レポートは安田正明。


iPadを使いこなす平川昌紀氏。品川区港南の新事務所にてインタビュー。

底を打った、東京へも中規模店で出店攻勢

「今は東京も関西もいいです。関西ではリーマンショック以降、市場は局地的には2割減ぐらいのイメージ。あの時までは計画以上に出店してもいいかなと思いましたが、既存のきちりブランドを守るため、関西では立地の悪い店を閉めたり、業態変更しました。均一価格居酒屋にも転換してみましたが、採算は取れるがいいビジネスじゃないですね。ウチの規模ではやっちゃいけない。」

 今年の春先から既存店は客数が前年を上回り、底を打った。店舗数のバランスも良くなった。特に東京の池袋、赤坂、秋葉原、恵比寿、渋谷、横浜、銀座に出店した100坪前後の大型店が良いという。

「東京はいいですよ。赤坂は当初弱かったですが、今は収益化。主要な立地を抑えました。それで一気に認知度が上がり始めた。関西でも同じ経験があるんですが、チェーンでは、ある一定以上の認知度が必要です。僕らの店は空中階で、知らなければお客様は上がってこない。ネットなんかでの販促による集客は単店でも変わりませんが、リピーター客、系列利用のリピーターが増えています。東京の方がお客様の年齢層は高い。メインは20〜34歳女性(F1)ですが、幅広い。渋谷で60歳台のお客様がいらっしゃいました。これウチの店?と驚きましたね。」

「東京の店はゆったりした作り。東京は席の間隔を関西の1.5倍に広げて、逆に単価を上げています。東京で展開するのに合理的なやり方だと思います。」

 来年2月に、新宿東口で150坪のフラッグシップ店をオープンさせる。

「認知が我々の基準を超えた今、東京での大型店は新宿東口で一旦見合わせる。関西のブランドをリサイズして東京で再展開します。80坪前後で客単価はほぼ半分の業態です。東阪は直営でそれ以外のエリアはFCで出店を計画。僕らはチェーン。ノウハウや収益構造を完全継承、そのまま成立させることができる。流通も本州の一番北から、九州まで行ける。そこまで整備しました。」

「景気悪化による業績低迷も底を打ったのできちりを出店します。専門店はあくまでもチェーンに落とし込むメニュー開発とあらたな展開のテストをしている。そして、企業として安定的な収益が取れるようになったので、敢えて不安定な領域として専門店を出店します。ここからチャンスやアイデアが出てくるんです。」

 地方出店に加え、中国など海外進出も考えているという。業績の底入れを背景に、積極策に転換する。


■平川昌紀(ひらかわ まさのり)
株式会社きちり 代表取締役。1969年生まれ。大阪府出身。97年、個人にて「モスバーガー」FC出店。98年、有限会社吉利設立。2000年、株式会社きちりに社名変更。07年、大証ヘラクレス上場。

株式会社きちり

【取材・執筆】 安田 正明(やすだ まさあき) 2010年9月17日取材