
・底を打った、東京へも中規模店で出店攻勢
「今は東京も関西もいいです。関西ではリーマンショック以降、市場は局地的には2割減ぐらいのイメージ。あの時までは計画以上に出店してもいいかなと思いましたが、既存のきちりブランドを守るため、関西では立地の悪い店を閉めたり、業態変更しました。均一価格居酒屋にも転換してみましたが、採算は取れるがいいビジネスじゃないですね。ウチの規模ではやっちゃいけない。」
今年の春先から既存店は客数が前年を上回り、底を打った。店舗数のバランスも良くなった。特に東京の池袋、赤坂、秋葉原、恵比寿、渋谷、横浜、銀座に出店した100坪前後の大型店が良いという。
「東京はいいですよ。赤坂は当初弱かったですが、今は収益化。主要な立地を抑えました。それで一気に認知度が上がり始めた。関西でも同じ経験があるんですが、チェーンでは、ある一定以上の認知度が必要です。僕らの店は空中階で、知らなければお客様は上がってこない。ネットなんかでの販促による集客は単店でも変わりませんが、リピーター客、系列利用のリピーターが増えています。東京の方がお客様の年齢層は高い。メインは20〜34歳女性(F1)ですが、幅広い。渋谷で60歳台のお客様がいらっしゃいました。これウチの店?と驚きましたね。」
「東京の店はゆったりした作り。東京は席の間隔を関西の1.5倍に広げて、逆に単価を上げています。東京で展開するのに合理的なやり方だと思います。」
来年2月に、新宿東口で150坪のフラッグシップ店をオープンさせる。
「認知が我々の基準を超えた今、東京での大型店は新宿東口で一旦見合わせる。関西のブランドをリサイズして東京で再展開します。80坪前後で客単価はほぼ半分の業態です。東阪は直営でそれ以外のエリアはFCで出店を計画。僕らはチェーン。ノウハウや収益構造を完全継承、そのまま成立させることができる。流通も本州の一番北から、九州まで行ける。そこまで整備しました。」
「景気悪化による業績低迷も底を打ったのできちりを出店します。専門店はあくまでもチェーンに落とし込むメニュー開発とあらたな展開のテストをしている。そして、企業として安定的な収益が取れるようになったので、敢えて不安定な領域として専門店を出店します。ここからチャンスやアイデアが出てくるんです。」
地方出店に加え、中国など海外進出も考えているという。業績の底入れを背景に、積極策に転換する。
■平川昌紀(ひらかわ まさのり)
株式会社きちり 代表取締役。1969年生まれ。大阪府出身。97年、個人にて「モスバーガー」FC出店。98年、有限会社吉利設立。2000年、株式会社きちりに社名変更。07年、大証ヘラクレス上場。
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