
・鮮魚より新鮮な活魚で差別化
「釣船茶屋ざうお」横浜・綱島店に1億円を投資。絶対に当たるという確信があったという。
「ざうおは、釣る体験を家族のお客様をメインに提供していますが、お客様の単価としてはたとえば4人家族でも1万2千円は軽くいきます。満足して帰っていただいても、すぐまた来週とは、なかなかいきません。この来店頻度の問題から、人口がないと長く成立するのは難しい特徴があります。人口がないと成り立ちません。綱島と亀戸に出店していますが、当時、徹底的に商圏調査をしました。」
オリジナル業態の1号店は、2005年11月にオープンした天然地魚専門店「上潮家魚バカ三太郎新宿本店」。「ざうお」の活魚仕入れノウハウを活かした。そして、同社を一気に話題にした「新宿いかセンター」を新宿西口に08年2月にオープン。当時は、トロ箱系鮮魚居酒屋が世の中に出始めていた。魚屋から発祥した「魚真」や、浜倉好宣氏がジェイオフィス時代に展開していた「鱗」が話題に。そこに活魚で差別化したのが「新宿いかセンター」。それを有名にしたのが、原油高でいか釣り船が出港できず、いかが獲れなくなるというニュース。その際に、都内のいか扱い店としてメディアに度々取り上げられた。

「新宿いかセンター」で活いかが泳ぐいけす。

「新宿いかセンター」 店内。
「もともと、ざうおに納入していただいていた活魚業者さんが、商売を辞めたいというので事業を譲り受けました。その当時は養殖物7割、天然物3割を扱っていました。養殖物はどこでも同じものを扱っているので、天然物だけに特化しました。なかでも面白かったのが、活いか。」
07年11月、地魚・活魚専門卸 ワイエムティー株式会社を設立。1号店「ざうお」からすべての店舗を立ち上げてきた、現在の同社取締役、藤嶋健作氏を代表取締役に据えた。自社店舗だけでなく、他社にも卸している。
「活いか6割、鮮魚4割を扱っています。販売先にはいかセンターのノウハウを提供しています。活いかでは関東ではナンバーワンです。活いかはゲリラ的な商売で、集荷するのが難しい。また、水槽の中で直ぐに死んでしまう。墨を吐かれると全滅します。あと、自社で何店かいかセンターを出店したらなかなか他社さんへのいかの提供は難しくなります。」

金目鯛のしゃぶしゃぶ。

刺盛り。
「原価も高い。原価率は、37〜45%と波がある。もちろん、卸としてのマージンは確保した上ですが。儲からないですが、真似されもしません。この店があることにより、お客がウチの会社のファンになってくれ、他の店にも行ってくれる。旗艦店としての役割を果たしてくれています。」