
・日本橋の新商業施設に魚市場が出現
「日本橋紀ノ重」が出店したのは、10/28(木)に開業する日本橋の新商業施設「COREDO室町」2階。同施設は、2004年「COREDO日本橋」、05年日本橋三井タワーに次いで、14年に完成する予定の日本橋地区再開発の第一段となる。
地下1階から地上4階までの商業ゾーンに全25テナントが入居。内、外食は18店。日本橋らしい重厚な老舗感のある内外装の店舗ばかりの中で、魚市場を再現した「日本橋紀ノ重」は異彩を放っている。トロ箱系鮮魚居酒屋や横丁を得意とする浜倉好宣氏がプロデュースし、浜倉色が前面に出ている。100坪で130席の大型店。

千葉の調理師学校の先生が調理長。魚には職人が必要。

炭火の周りに串を立てて焼き上げる究極の焼き魚「原始焼き」もウリ。
同店の最大のウリは、”今朝獲れ”鮮魚。昨年から同社鮮魚居酒屋「魚米」にて提供していた。千葉・館山で朝獲れた魚をトラックでアクアラインを通って築地に運び、提携した仲卸、紀ノ重のルートを使って「魚米」4店舗にその日の内に配送。”朝獲れ”ならぬ、”今朝獲れ”鮮魚としてお客から人気となっていた。今回、その”今朝獲れ”システムを三陸・福岡にも拡大。

厨房前には鮮魚が並ぶ。
この物流システムを構築したのが同社副社長、野本良平氏。流通業界で経験を積んだ後、社長、米山久氏の片腕として、鮮魚部門をリードしている。
「玄界灘、五島列島など九州中からその日に獲れた魚が福岡に集ります。その魚を8時の便で羽田に送り、その日の内に店舗に配送します。東北・三陸からは空路がなくて、その日の内に築地に持ってくることが難しかった。三陸には気仙沼、塩釜、石巻といった3つの大型漁港があるにもかかわらず」と野本氏。
「地元の仙台水産さんの協力で、チャーター便のトラックを使って、その日の内に築地に持ってこられるようになりました。ウチの店舗だけではトラックを満載にできないので、広島のスーパーさんと共同で仕入れます。一旦、築地で荷揚げしてウチの分は引き取り、広島へ送る分はさらに陸送で翌日に届きます。空輸の場合だと容積で輸送費がかかるので、極力氷を使いませんが、陸送では氷もたっぷり使え、魚も痛みにくいんです。宅急便では頻繁に荷物の積み替えが行われるので痛みますが、チャーター便ならこの心配もない。」
朝2時に金華山沖で獲れた魚が、4時には港に入って氷詰めされて、仙台に6時に着く。8時のチャータートラックに載せ、昼に築地。そこから紀ノ重の流通網を使って、午後2時には「日本橋紀ノ重」に届く。水産会社の協力で、セリにも掛ける時間もセーブされ、最短で届けられる。
「空輸なら”今朝獲れ”は可能ですが、客単価1〜2万円とるのが今までの常識です。それを3〜5千円の客単価で鮮度のものが出せないかと思ったのがきっかけ。それを大量消費を仕掛けることで実現させました。高品質・低価格です。地鶏からのスタンスです。魚の流通改革を仕掛けています」と社長の米山氏。