
・大量消費のための持ち帰り寿司
第一次産業を動かすためには、仕入れのスケールを大きくすることがキーとなる。
「居酒屋の魚仕入れは売上のおよそ15%。持ち帰り寿司の場合は50%。居酒屋で1000万円売っても魚は150万円。持ち帰り寿司で600万円売ると、魚は300万円。持ち帰り寿司は6店舗あるので、1800万円売っています。居酒屋で同じだけ消費しようとすると大変なことです。持ち帰り寿司は売れていますが利益はトントン。でも、大量消費を仕掛けるために必要な仕組みなんです」と米山氏。
持ち帰り寿司の原価目標は45%。単純に値上げすることは考えず、お客の感動値を落とさずに、いかに仕入れを落とすかに挑戦しているという。店舗での寿司だけではなく、鮮魚販売も行ったりしている。
「他の持ち帰り寿司と差別化するために、加工品ばかりではなく、鮮魚を売ってもいいと思っています。店舗のメルマガ会員に向け、今日はこんな魚入荷しましたと流して、鮭の切り身をタイムセールで売りました」と野本氏。ゆくゆくはスケールをさらに大きくして、漁船まで買う計画もある。
「魚米」ブランドは、「紀ノ重」に変える予定。鮮魚業態は「紀ノ重」に統一する。総合居酒屋「わが家」を養鶏場所有により「塚田農場」に変更したのと同じ。
次いで、生鮮3品の野菜にも進出。最近、太田市場の買参権を取得した。その日に収穫された野菜が店に入荷されるようになった。”今朝獲れ”鮮魚に次いで、”今朝もぎ”野菜も導入し始めた。
「従業員がお客に語る武器を欲しがっています。価値をもって売らないと消費者に伝わらない。地鶏をポンと出しただけでは価値が伝わりません。そこで生産者の思いを伝える。今日の朝まで泳いでいた魚です、これが大事。お客様は、本当だ、何か違うね、と言ってくれる。でも、それが嘘なら従業員は語り続けられない。売る人間と仕入れる人間が同じなのが、APカンパニーの最大の強みです。」
宮崎県日南市の自社養鶏場のそばに果樹園を作って3年前に柚子を植えた。その柚子を使って今、柚子胡椒を作っているという。また、そこで獲れたレモンを使った「塚田果樹園のプレミアム生レモンサワー」が店舗で人気だ。これも価値を持って売れる商品だ。