
・外食人は、プライドを持って売れるものに飢えている
「一次産業に入らないと新しい価値提案ができない。今まで飲食店はそこに目を向けな過ぎた。目の前のお客様をどうやって楽しませようか、だけ。だから元気だけでお客様にありがとうと言われようとする。元気だけじゃなく、日本の食産業を良くするんだ、という気持ちを持たせると奮い立つ。いいスタッフも集まる。現場スタッフがどれだけ奮い立てる話題を持っているか、が大切」と米山氏。
「採用面接をして思うのは、彼らがプライドを持って売れるものに飢えていること。安売りばかりで疲れきっています。元気やパフォーマンスでは奮い立てない。ウチは現場が自信を持って提案できる商品を用意したい。」
APカンパニーは1年前からリピーター獲得に注力してきた。実際に「塚田農場」19店では前年実績を超えているという。特に錦糸町店では9割がリピーターで、120席で月商1800万円も売るという。成功要因は、リピーター獲得手法を理論的に分析したこと。
お客との距離を縮める手法として「ジャブ100連発」「クロージング」という言葉を生みだした。「ジャブ100連発」とは、お客さんに語れる話題をスタッフに多数与えて、ジャブを打つようにコンタクト毎に発していくこと。例えば、「今日の朝まで泳いでいた魚です」「自社養鶏場で育てた鶏です」「養鶏場の隣の果樹園で獲れたレモンです」などなど。「クロージング」とは、新規客を会話で距離を縮めていきリピーター客に変えること。
「お客様との距離感を縮めたら絶対に来てくれます。距離を縮めるためのジャブをいっぱい用意しています。どこまで縮まったのかの尺度は各人の判断でクロージング完了となります。各店舗でバラツキがあると思います。」
生産者に近づくことにより他店と食材面で差別化できるとともに、そこで得られた生産者ならではの情報を、リピーター客作りに活用しているという訳だ。
APカンパニーにとり、「日本橋紀ノ重」は10業態50店舗目。新たな食材をテーマに、丁寧にインパクトのある業態を年に1〜2つずつ作っていきたいという。
「塚田農場は利益を出しているので、今、教育や流通に投資できます。収益基盤を維持しながら、新たなことにチャレンジして仮に失敗しても耐えられるようバランスを取って進めていきたい」と米山氏は新しい食材や生産者を求めて全国を飛び回っている。